戦艦武蔵の雄姿
戦艦武蔵の雄姿
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ポール・アレン氏が公開した戦艦武蔵の艦首(ユーチューブより)
ポール・アレン氏が公開した戦艦武蔵の艦首(ユーチューブより)

 いよいよ、“大戦艦”の全貌が明らかになるのか―。米国・マイクロソフト社の共同創業者であるポール・アレン氏は3月11日、自身のホームページで、太平洋戦争中に沈没した旧日本海軍・戦艦武蔵の映像をライブ配信することを明らかにした。配信開始は13日午前10時からの予定だ。

 ポール・アレン氏は今月に入り、フィリピン・シブヤン海の水深約1000メートルで、戦艦武蔵と思われる沈没船を発見し、その動画を公開した。この動画には、艦首や艦橋、スクリュー、主砲の台座、高角砲などが映し出されていた。ほかにも、「15メートル測距儀」とみられる部分も映っていた。測距儀は、主砲で砲撃する時に、敵艦との距離を測るもの。これほど大きな測距儀は、戦艦大和と武蔵にしか搭載されていないため、専門家の間では「武蔵に100%間違いない」という意見が出ている。

 今回のライブ配信で最も注目されるのは、世界最大と謳われた「46センチ砲」であろう。これまで、その台座は公開されているが、主砲本体の映像は公開されていない。武蔵と同型艦である戦艦大和は、東シナ海に沈んでいるが、大和の46センチ砲は損傷が激しく原形をとどめていない。その砲身は海底に突っ込んでいるとみられ、いまだ確認されていない。仮に、武蔵の「46センチ砲」が、ある程度原形を残した状態で見つかれば、“大発見”といえるだろう。
 
 発見者のポール・アレン氏は、マイクロソフト社の創業者のひとり。現在もマイクロソフト社の大株主で、その資産1兆円を超えているともいわれる「IT長者」である。

 戦艦武蔵は、戦艦大和の同型艦として建造された。全長263メートル、排水量6万5千トンという世界最大の戦艦だった。1944年10月、フィリピン・レイテ島に上陸した米軍を攻撃するために出撃したが、シブヤン海で米軍機の猛攻を受けて沈没した。
 
 “幻の大戦艦”はどんな姿で眠っているのか、13日のライブ配信に大注目だ。

(dot.編集部・金子哲士)