※写真はイメージです(Getty Images)
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 部下をもつマネジャーの中には「できることを願って叱責したのに、パワハラだと訴えられる、辞められる」という悩みを持つ人もいるだろう。著書累計50万部超の人気ビジネス書作家・浅田すぐる氏は、新著『あなたの「言語化」で部下が自ら動き出す 「紙1枚!」マネジメント』(朝日新聞出版)で、パワハラと訴えられないために気をつけたいことをまとめた上で、「紙1枚」で部下に指摘すべきことを見極めるための要素を整理する方法を伝授。同著から一部を抜粋、再編集して紹介する。

【図版】部下を叱るときのチェックポイントはこちら

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 まず、私なりに見出している「叱責の本質3条件」を紹介させてください。

 1つめは、「ナメられない程度の信頼関係を構築できているか」。

 これについては、まずは自身の日々の言動が重要になります。

 2つめの条件は、「叱責は個別で、少し時間を空けて」です。

 他の部下もいる前で注意したり、他の人にも見えるようなカタチで叱責するのはNGです。また、即時フィードバックのカタチをとると非常に感情的になっているケースが多いため、過剰に声を荒げたり、言葉が乱れたりといったリスクがあります。なので、少し時間を空けて冷静になってから指摘するのがセオリーです。

 その点、テレワークは叱責がフロア中に響き渡るといったこともなければ、時間的にも空間的も距離を置いて話せるため、実は叱責には向いているといった側面もあります。

 ちなみに、3つめの条件に進む前に余談を挟むと、叱責の反対である賞賛に関しては、「個別ではなく全体に、即時で」という反対のアプローチが有効になります。

 具体的には、1on1(1対1)ではなくグループミーティングの場でホメる。あるいは、個別メールではなく関係者一同をCCに入れたカタチで賞賛のメッセージを出す。それも、できるだけホメたい出来事が起きた当日中に出すといったイメージです。

 あなたはマネジャーとして、どのくらい効果的な賞賛ができているでしょうか。何かしら参考になるところがあれば嬉しいです。

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ヒトではなくコトを叱責すること