最近は剣道熱が再び高まりつつある。「とある方から非常に素晴らしい防具をいただいて、もう一度始められる場所を探しているところです」[撮影/蜷川実花、hair & make up 酒井啓介(MARVEE)、styling 亘 つぐみ(TW)、 costume LEMAIRE、EYTYS(木村さん/すべて表紙、50ページも)、hair & make up 冨沢ノボル(蜷川さん)]
最近は剣道熱が再び高まりつつある。「とある方から非常に素晴らしい防具をいただいて、もう一度始められる場所を探しているところです」[撮影/蜷川実花、hair & make up 酒井啓介(MARVEE)、styling 亘 つぐみ(TW)、 costume LEMAIRE、EYTYS(木村さん/すべて表紙、50ページも)、hair & make up 冨沢ノボル(蜷川さん)]
この記事の写真をすべて見る

 木村拓哉さんも蜷川実花さんはともに50歳。半世紀の人生をトップランナーとして全力で駆け抜けてきた。なぜ二人は長く走り続けてこられたのか。仕事の取り組み方や考え方について語り合った。AERA 2023年6月26日号から。

【写真】蜷川実花が撮った!AERAの表紙を飾った木村拓哉さんはこちら

*  *  *

──活躍を続ける二人だが、いまも「うまくできない」と感じることはあるのだろうか。

蜷川:そんなことだらけですよ。私、結構ネガティブ思考で、何かを成し遂げたという感覚は今まで一度もない。一生懸命ポジティブに考えるようにしてるんです(笑)。理不尽に傷つけられることは、仕事でも生きていくうえでもたくさんあります。それをどうやって自分の中でいいことに変えようかを考えてきた。

木村:俺は、つらい時期っていうのはそんなになかったかな。実花ちゃんと似ているけど、つらいという感情が体に付着しそうになったときは、それをどう捌いていくかを、ある種ゲーム感覚で楽しむように考えてた。

蜷川:私の場合は、女性としての大変さもあるし、出る杭に対して無責任に飛んでくる誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)や「こうじゃないといけない」という押しつけを息苦しく感じることもあったな。目立つ場所や新しい場所に立つと、やっぱり風圧が高いんですよ。それは拓哉くんもそうだと思うんだけど。

木村:まともに受けていたら絶対に折れちゃうから、しなることも必要だと思う。向かい風も受け方によっては、ヨットみたいに動力になるし、追い風に変えることもできると思うから。

■冷たい水か熱いお湯

蜷川:聞いた時は本当にしびれた。トップランナーとして、ずっと風を受けながら進んできた拓哉くんだからこそ説得力がある言葉だよね。めっちゃやる気になります。

 お互い、できないことをやりたくなっちゃう性質なんだと思う。今でこそ、私も国内ではある程度自分の意見を尊重してくれる環境が整っているけど、海外でやりたいと思ってゼロからスタートしたこともある。自分で自分をなぞりたくない。だから、いつもずっと大変(笑)。

木村:「なぞりたくない」っていいね。

蜷川:経験を重ねると、どうしても前と似た景色や仕事が増えてくるわけじゃない。意識の保ち方や挑戦の仕方はどうしてる? 特に拓哉くんが大変だと思うのは、「キムタクだったら絶対できる!」って、周りが皆思っているでしょ。常に全力?

暮らしとモノ班 for promotion
2024年の「土用の丑の日」は7月と8月の2回!Amazonでおいしい鰻(うなぎ)をお取り寄せ♪
次のページ