BTS SUGAが単独でオールナイトニッポンのパーソナリティーを務めた。Agust Dの活動を通した自信の成長を語った。AERA 2023年6月26日号より紹介する。
【写真】当日のスペシャルゲストには音楽プロデューサー小室哲哉が登場
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「BTS SUGAのオールナイトニッポンGOLD」が、6月9日に放送された。
SUGAがひとりで日本のラジオでパーソナリティーを務めるのは、これが初めてだ。アシスタントを務めたのはBTSのデビュー時からの仲であるK-POP評論家・ラジオDJの古家正亨だ。
4年ぶりの再会を喜んだ後、SUGAは今回の来日について、「本当はメンバー7人全員で来たかったのですが、今は(兵役に行っているメンバーがいるため)それが叶わないのでひとりで日本に来ました」と、メンバーとの絆を垣間見せた。
「BTSの『Dynamite』と『Butter』が日本でもたくさん愛されたと聞いていて、4年前と比べてどういう風に客層が変わったかが楽しみ。日本のオーディエンスは耳を傾けて曲を聴いてくれる印象があったが、僕のライブはそういう雰囲気ではなく、一緒に声を出して飛び跳ねて楽しんでもらいたい」と話した。
収録の数日後に行われたライブの熱狂的な盛り上がりを考えると、その願いは見事に叶ったのではないだろうか。
2016年からスタートしたAgust Dの活動については、「最初は怒りを中心にした攻撃的な歌詞が多かった。でも7年が経ち、僕自身成長することができた。そこで3部作の最後にあたるアルバムを『D-DAY』と名付けた」と、精神的な成長を経て最終章「D-DAY」を制作したことを明かした。
「主にラップを担当してきたが、ソロツアーを行ったことで必然的に歌うことが増え、ボーカルに目覚めた」と自身の変化も分析。「より豊かな音楽表現ができると思う」と期待をのぞかせた。
番組内では、SUGAと同じくプロデューサーでもありコンポーザーでもある小室哲哉との対談も実現した。
そこではこんな言葉が飛び出した。
「ラップを主にやっているが、将来的にはバンド音楽もやってみたい。日本は良いバンド音楽が多いし、ミュージシャンの演奏力も高い。バンドアレンジをやる際には日本に1、2カ月滞在して作業してみたい。もしまたアルバムを作ることになったら、日本に来て小室さんと一緒に制作をしたい」
初のソロツアーを通じ、新たな創作意欲が湧きあがっていることが、言葉の随所から感じられた。(ライター・小松香里)
※AERA 2023年6月26日号