イーシン・カフェ/カパフル地区にオープンした香港式カフェ。僕が必ずオーダーするのは、エビにカリカリのにんにくの香ばしい風味をプラスしたガーリックステアフライプラウン(撮影/ショーン・モリス)
イーシン・カフェ/カパフル地区にオープンした香港式カフェ。僕が必ずオーダーするのは、エビにカリカリのにんにくの香ばしい風味をプラスしたガーリックステアフライプラウン(撮影/ショーン・モリス)

■動きはじめた飲食店

 そんな3年が過ぎた今年5月、WHO(世界保健機関)が緊急事態の終了を発表。燻(くすぶ)っていた世界中の人々が動き出した。ハワイにも少しずつハワイ愛あふれる日本人の皆さんが戻りつつあるように感じる。まだ営業時間が安定していないレストランも多いが、テイクアウトが手薄になるくらい店内はにぎわいをみせている。最近では、シェフがいないために店を開けられない有名レストランに、早めに引退したハワイのスターシェフがシェフとして就任するなどのうわさもあり、ワクワクしている。

 ところでパンデミック後のハワイのレストラン市場はどうなったかというと、新しいお店が続々とオープンしている。なかでもエスニック系の開店はめざましく、イスタンブール料理などの新スタイルもかなり増えた。また、「イーシン・カフェ」「ククイ・カフェ」といったワンタン麺、フライドチキン、ナポリタンも食べられるチャーチャンテーンと呼ばれる香港式のカフェが再び盛り上がりをみせているし、ラーメン店と居酒屋も急増している。

イザカヤ・アガル/ミルクブレッドの上にマグロのたたきとキャビアをたっぷりのせたおつまみ。ゴージャスかつユニークな料理で飽きることがない、ワイキキの人気居酒屋。(撮影/ショーン・モリス)
イザカヤ・アガル/ミルクブレッドの上にマグロのたたきとキャビアをたっぷりのせたおつまみ。ゴージャスかつユニークな料理で飽きることがない、ワイキキの人気居酒屋。(撮影/ショーン・モリス)

 居酒屋でいうと、23年春にオープンしたカイムキ地区の蕎麦(そば)居酒屋「カイムキ食堂」や、ワイキキ地区の「イザカヤ・アガル」、カリヒ地区の「ナミカゼ」は超人気で話題に事欠かない。

 特に「イザカヤ・アガル」は、シェフのクリス・カジオカさんが生み出すメニューのおもしろさも、味わいの素晴らしさも、素材の使い方も新たな取り組みが楽しめるとあって、グルメな地元住民たちの胃袋をとりこにしている。ハワイ語でアヒと呼ばれるマグロはハワイ近海でよくとれ、身近な素材。お店ではそれをうまく使って寿司、丼、ポケ、ステーキなどさまざまに展開。マグロのにぎりの上にウニやキャビア、たくあんをのせるなど、ハワイならではの遊び心が盛りだくさんのメニューが楽しめる。

■食べ物は人を癒やす

 蕎麦や天ぷらといった和食も、昔のハワイからは考えられないほど充実した味わいになっている。かといって、完全に日本スタイルでもない。どこかしらハワイらしさが盛り込まれ、日本食が恋しくなるけれどもハワイを味わいたい日本からの観光客の方にとってうってつけのように思う。ファストフードだけれどヘルシー志向なファストカジュアルなお店も増加している。

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