新型コロナウイルスの感染症法上の分類が、「2類相当」から「5類」に引き下げられた。コロナ前の日常を取り戻しつつあるとはいえ、感染リスクがなくなったわけではない。子どものコロナ対策はどんな点に注意すべきか。川崎医科大学教授・中野貴司さんに聞いた。AERA 2023年5月15日号から。
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Q:子どもが熱っぽく、罹患したかもしれません。どうすればいいですか。
A:明らかにふだんと様子が異なったら医療機関を受診するか電話相談を。熱性けいれんがみられたら、すぐに救急車を呼ぶ。
高齢者に比べ、子どもは感染しても重症化しにくいとされている。ただし、人数は少ないものの、基礎疾患がなくても重症化し、亡くなる子どももいる。どんな点に注意すべきか。
中野「子どもの場合、発熱しても意外と元気なこともあります。周りの大人に注意していただきたいのは、原因が新型コロナウイルスかどうかにかかわらず、ふだんと違って異様にぐったりしていたり、泣き叫んでいたりしていないか、ふだんと明らかに様子が異ならないかどうか、という点です。おかしいと思ったら、迷わずに医療機関を受診するか、『子ども医療電話相談』の♯8000に電話して下さい。
オミクロン株になって、以前より熱性けいれんが増えた印象があります。けいれんを起こしている場合には、救急車を呼んで下さい」
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Q:感染した場合、どれくらい学校を休む必要がありますか? 濃厚接触者はどうすればいい?
A:感染者は発症から5日間かつ症状が回復してから24時間経つまで、出席停止。濃厚接触者の出席停止は、原則としてなくなる。
感染者の出席停止期間はこれまでは7日間だったが、学校保健安全法施行規則が改正され、5日間に短くなった。
一方、行政による濃厚接触者の特定がなくなるため、原則として濃厚接触者の出席停止はなくなる。ただし、文部科学省は、同居する家族が感染した場合などは、校長の判断で出席停止とすることができるとしている。
(科学ジャーナリスト・大岩ゆり)
※AERA 2023年5月15日号