「MEMORY メモリー」 5月12日(金)からTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。(C)2021, BBP Memory, LLC. All rights reserved.
「MEMORY メモリー」 5月12日(金)からTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開。(C)2021, BBP Memory, LLC. All rights reserved.

「アルツハイマー病については入念なリサーチをしました。ドキュメンタリー番組なども見ましたが、実は同じ病を患っている友人がいたんです。その経験を少しアレックスの人物描写に取り入れることができました」

「友人を見舞い、彼と多くの時間を過ごすうちに、彼が僕のことを忘れてしまっていることに気づいてはいたんです。昔の話をしたりすると、やっぱりわかってしまうんです。でも彼は人をがっかりさせることを絶対にしたくない性格の持ち主で、そのことに気づかせないように振る舞っていました。僕はすごく彼らしいなと思ったのです。たとえ病を患っていても、その人はやはりその人なのだなと。この映画で兄とのシーンを演じながら、そんなふうに心を動かされたことを思い出していました」

「友人は最近、残念ながら亡くなりました。ですが僕はある意味、ほんの小さな形ではありますが、彼をしのび、その何かを映画に残すことができたのかもしれないと思っています」

 同時に病をことさらに強調することはしたくなかったとも話す。

「この映画は基本的にはアクション・スリラーです。こうした作品はテンポやペースが大事。病の要素が極端にそのペースを乱すものになってはいけない。やりすぎないようにマーティン・キャンベル監督とも話し合いながら、なるべく抑制の効いた形で表現することを心がけました」

 さすが数々のアクション作品に主演してきたリーアムさんらしい。70歳にしてキレのあるアクションは衰え知らずだ。

「映画の主役を任されるような役者は、ある程度のフィジカルをキープしなければいけないと思っています。朝早くから自分を待っているスタッフが100人いたりしますからね。ただ、そこまでハードにジムに通う必要はないと個人的には考えています。僕がやっているのはパワーウォーキング(フォームを意識した早歩き)、ダンベル運動や基本的な腹筋や腕立て伏せなど。それらを1週間に5~6日、30分ほどこなすくらいです。それに休息を取ることも重要です。十分な睡眠と、ある程度の健康な食生活を心がけています」

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