巨人・広岡大志
巨人・広岡大志
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 5月17日、中継ぎ投手が手薄だった巨人と、右打ちの野手に故障者が続出していたオリックスとの思惑が一致し、トレードが成立。広岡大志内野手が鈴木康平投手との交換でオリックス入りすることが決まった。

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 プロ入り以来伸び悩んでいた逸材が自身2度目のトレードをキッカケに覚醒できるか注目が集まっている。

「1回も花を咲かせていない。しっかり咲かせられるように頑張りたい」

 トレード成立後に行われた19日の入団会見で広岡はそう語った。プロ野球選手として、まだ結果を残せていないのは本人が理解しているのだろう。周囲の大きな期待を受けながら応えられず、不甲斐ない思いをし続けていたはずだ。3球団目となるオリックスでは、文字通り不退転の覚悟でプレーしている。

「移籍決定の知らせには驚いた。オリックスが野手を必要としているのは知られていたが、広岡を獲得したのは予想外。潜在能力の高さは知られており、上手くいけば歴史的な補強になるかもしれない」(在京球団編成担当者)

 広岡は2015年のドラフト2位でヤクルトに入団。大型遊撃手として山田哲人との二遊間コンビを組むことが期待されていた。しかしレギュラー定着まで至らず、2021年シーズン開幕直前に田口麗斗とのトレードで巨人へ移籍した。

「遊撃手として活躍する坂本勇人もベテランの域に入った。広岡獲得は将来への投資という意味合いもあり、試合出場のチャンスを与えていたが、思ったような結果が出なかった。中山礼都、門脇誠らの後輩選手も結果を出し始め、結果的に押し出されてしまった」(巨人担当記者)

 昨季は故障で出遅れた坂本に代わり開幕戦スタメン出場を果たしたが、その後は坂本の復帰などもあり結果を残せず。最終的に28試合の出場で打率.180、0本塁打、4打点に終わった。

 今季も「ショートのレギュラーを取るつもりでやっている。20発は打ちたい」と意気込んでいたが、オリックス移籍前までに9試合の出場で打率.214、1本塁打、2打点とくすぶりが続いていた。

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巨人向きではなかった?