そもそも、このマイナポータルとは何か。おさらいしておこう。
マイナポータルにアクセスすることで、各自治体の子育てや介護などの行政手続きの検索や、オンラインでの申請、行政機関や税務署からのお知らせが確認できる。また、銀行・証券口座の開設や、携帯電話申し込み時などの本人確認にも対応しており、5月中に数社の民間企業がスマホ用電子証明書による本人確認サービスを開始する見込みだ。
ただ、一般的に利用頻度が高い、コンビニなどでの住民票や印鑑証明、戸籍証明書などといった各種証明書の交付サービスへは現時点では対応しておらず、これらの対応は年内に開始する予定だ。
他にも徐々に機能を拡大していく方針をとっており、引っ越し関連の手続きは今年7月に開始予定。健康保険証への利用は24年4月から、確定申告への利用は25年1月ごろと、順次対応していく見通しだ。
カードの「保管」は忘れずに
だが、マイナカードのトラブル頻発に、SNSではスマホで利用することへの「不安」の声も上がっている。ここで、注意しておきたいポイントを一つ。
スマホで使えるようになるのはあくまで「スマホ用電子証明書」の機能部分であって、スマホそのものがマイナンバーカードになるわけではないという点だ。つまり、スマホ用電子証明書をスマホに取り込んだところで、スマホが身分証明書の代わりになるわけではない。できる機能も順次拡大していく方針にはなっているが、マイナンバーカードの機能全てがスマホでできるわけではない点には注意が必要だ。当然、マイナンバーカードの保管は引き続き各自必要となる。
スマホ用電子証明書を始めるにあたっては、対応しているAndroid OSのスマホでマイナポータルアプリをダウンロードして起動し、マイページから「スマホ用電子証明書を申請する」を押して申請を始める。その後、マイナンバーカードをスマホで読み取り、「スマホ用電子証明書」用の新しいパスワードを設定すれば申請が完了する。朝8時から夜19時半までの間であれば、数分で手続きが完了するという。