マイナンバーカードの申請受付数は増えたが…(写真/アフロ)
マイナンバーカードの申請受付数は増えたが…(写真/アフロ)
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 預貯金口座をひもづける「公金受取口座」の誤った登録、証明書のコンビニ交付サービスで誤発行……マイナンバーカードに関連するトラブルが相次いでいる。5月25日には岸田文雄首相が河野太郎デジタル相に、総務省などの関連省庁と連携してデータシステムの再点検などの対策を講じる指示を出した。そんな中、11日からAndroid端末のスマートフォンで使えるようになった。トラブル続きの中、便利になるとはいえスマホでマイナンバーカードを使うことに不安に感じる人もいるだろう。注意すべきポイントをまとめた。

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 累計申請受付数が1億に達しようとしているマイナンバーカード。2016年1月に始まった当初は身分証代わりに持つことすらためらわれる動きもあったが、今やカードを発行して、運転免許証代わりにれっきとした身分証として持ち歩く生活スタイルが定着しつつある。

 ただ、「様々な情報が入っている」ということはわかっていても、何に使えるのか詳しくはわからない――そんな人も多いであろうマイナンバーカード。発行が始まった当初はカードの扱いも厳重で、カード交付時にマイナンバーと性別、臓器提供意思と署名が隠れる透明ケースが配布されていた。ところが、「番号が知られただけでは悪用されないから」という理由で22年11月にケースの配布廃止が検討されると、当初との方針の違いに国民から批判の声が寄せられたこともあった。

 マイナンバーカードの扱いの“カジュアル化”が進んでいるが、この流れを加速するさらなる動きが11日から始まっている。Android OSを搭載した一部のスマホで、マイナンバーカードの「スマホ用電子証明書」機能を使用できるようになったのだ。

複数の端末で使用不可

 これにより、何ができるようになるのか。

 まず、デジタル庁が運営するウェブサイト「マイナポータル」へのログインとサービスの利用がスマホだけでできるようになる。これまではログイン時にスマホ本体にマイナンバーカードをかざし、読み取って認証する必要があったが、こうした作業が不要になり、スマホで使用している指紋認証や顔認証といった生体認証だけでログインすることが可能になる。スマホ用電子証明書の発行は「1人につき1つの端末だけ」となっており、複数の端末で使用することはできない。

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カードの保管は忘れずに!