【米ビルボード・アルバム・チャート】リル・ウェイン首位デビュー、1年ぶりにラップALがTOP5独占
【米ビルボード・アルバム・チャート】リル・ウェイン首位デビュー、1年ぶりにラップALがTOP5独占
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 リル・ウェインの新作『フューネラル』がNo.1デビューを飾った、今週の米ビルボード・アルバム・チャート。

 本作『フューネラル』は、2018年9月リリースの前作『カーターV』から約1年半ぶり、13枚目のスタジオ・アルバム。同チャートでの首位獲得は、その『カーターV』に続く5作目で、TOP10入りは12枚目の快挙。唯一TOP10にランクインを逃がしたのが2ndアルバムの『ライツ・アウト』(2000年)で、最高位は16位だった。上記2作の他には、『カーターIII』(2008年)、『アイ・アム・ノット・ア・ヒューマン・ビーイング』(2010年)、『カーターIV』(2011年)の3枚が1位を獲得している。

 『フューネラル』の初動ユニットは139,000で、99,000がストリーミングによるユニット(SEA)、曲単体によるユニット数(TEA)が2,000、38,000枚がアルバムの純粋な売上枚数だった。セールスには、公式ウェブサイトでのグッズによる売り上げと、ライブ・チケットの償還も含まれている。週間視聴回数は1億3,400万回で、ストリーミング・チャートでも1位にデビューした。

 先週2度目の首位返り咲きを果たした、ロディ・リッチの『プリーズ・エクスキューズ・ミー・フォー・ビーイング・アンチソーシャル』は2位にダウン。週間ユニット(86,000)が前週から9%程度しか落ちていないのは、先週のソング・チャート“Hot 100”で4週目の1位をキープした「ザ・ボックス」のヒットが主な要因。エミネムの『ミュージック・トゥ・ビー・マーダード・バイ』は、2位から3位にダウン。週間ユニットは69,000で、先週から22%落ち込んでいるものの、セールスは55%増の22,000を記録している。今週売り上げが伸びたのは、パッケージの販売が開始したため。

 4位に初登場したのは、米アトランタの人気ラッパー=ラスの新作『Shake the Snow Globe』。初動ユニットは65,000で、そのうち実売が39,000枚と、ラッパーの作品としては珍しくセールスが高かった。リル・ウェイン同様、グッズによる売り上げとライブ・チケットの償還が含まれている。<コロムビア・レコード>にメジャー移籍してから発売したアルバムは、『There's Really a Wolf』(2017年)が7位、『Zoo』(2018年)が同4位と、3枚全てがTOP10入りしている。

 5位はポスト・マローンの『ハリウッズ・ブリーディング』で、先週とほぼ横ばいの55,000ユニットを獲得した。今週は、ヒップホップ・アルバムがTOP5を独占。上位5組が全てラッパーの作品となったのは、2019年1月26日付チャート以来、1年振りとなる。

 【第62回グラミー賞】の効果により、先週3位に復帰したビリー・アイリッシュの『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』は、前週から16%減の52,000ユニットまで落ち込み、6位にダウンした。

 続いて7位には、ケシャの新作『ハイ・ロード』がデビュー。初動ユニットは45,000で、そのうち35,000がセールス・ポイントだった。本作は、初登場1位を記録した前作『レインボー』(2017年)から約2年半ぶり、4枚目のスタジオ・アルバムで、1stアルバム『アニマル』(2010年 / 1位)、2ndアルバム『ウォーリア』(2012年 / 6位)に続き、4作連続のTOP10入りを果たした。とはいえ、初動ユニット数、最高位はこれまでで最も低いスタートとなった。

 8位にホールジーの『マニック』(43,000ユニット)を挟み、9位にはルイ・トムリンソンのデビュー・アルバム『ウォールズ』が初登場している。初動ユニットは39,000で、35,000がアルバム・セールスだった。元メンバーのゼインを含め、これでワン・ダイレクションから全員がソロ・デビューしたことになる。そのうちTOP10入りしたのは、ゼインの『マインド・オブ・マイン』(2016年 / 1位)、ナイル・ホーランの『フリッカー』(2017年 / 1位)、ハリー・スタイルズの『ハリー・スタイルズ』(2017年 / 1位)と『ファイン・ライン』(2019年 / 1位)で、ルイ・トムリンソンは4人目、5作目の快挙。昨年12月にリリースしたリアム・ペインのソロ・デビュー作『LP1』はTOP10入りを逃がしている。なお、ルイ・トムリンソンが所属する<アリスタ・レコード>からTOP10入りしたのは、意外にもジェニファー・ハドソンの『アイ・リメンバーミー』(2011年 / 2位)以来、約9年振り。

 10位には、米テネシー州出身のラッパー=ヨー・ガッティの新作『Untrapped』がデビュー。初動ユニットは35,000で、そのうち27,000がストリーミングによるユニット(SEA)、7,000がアルバム・セールスだった。セールスがユニット数の多くを占めるケシャやルイ・トムリンソンとは対照に、ラッパーはストリーミングが圧倒的に強い。ヨー・ガッティは、同アルバム・チャートで2013年リリースの7thアルバム『アイ・アム』から4作連続でTOP10入りを果たしている。

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは、2月14日以降掲載予定となります。

◎【Billboard 200】トップ10
1位『フューネラル』リル・ウェイン
2位『プリーズ・エクスキューズ・ミー・フォー・ビーイング・アンチソーシャル』ロディ・リッチ
3位『ミュージック・トゥ・ビー・マーダード・バイ』エミネム
4位『Shake the Snow Globe』ラス
5位『ハリウッズ・ブリーディング』ポスト・マローン
6位『ホエン・ウィ・オール・フォール・アスリープ、ホエア・ドゥ・ウィ・ゴー?』ビリー・アイリッシュ
7位『ハイ・ロード』ケシャ
8位『マニック』ホールジー
9位『ウォールズ』ルイ・トムリンソン
10位『Untrapped』ヨー・ガッティ