ゲームの世界はあくまでもバーチャルだ。ゲーム世界で稼いだお金も、手に入れた魔法も、見つけた結婚相手も、全て現実のものではない。そんなゲームの世界に風穴を開けそうなゲームアプリがある。それがITベンチャー企業、株式会社エルディ(本社:東京都目黒区)が開発した「畑っぴ~里山くらし~」だ。
これはただの育成ゲームではない。ゲーム内で栽培した野菜が、実際に農家から届くのである。現在、携帯電話版とiOS版、Android版の各アプリが用意され、それぞれ無料(アイテムは課金式)で使用できる。しかしこのアプリ、いったいどういう仕組みで本物の野菜を届けているのだろうか?
このゲームは、約40種類の野菜や果物の中から選んだ作物を画面上の畑で育て、収穫することでポイントがもらえるという仕組み。そして、野菜や果物を育てることでもらえるポイントを、ゲーム内で育てたのと同じ種類の野菜や果物と交換することができるのだ。送付先を入力することで、同社が提携している農家から直送された、本物の野菜や果物が家に届く。交換可能な野菜は30品目以上にも上るそうだ。
このほか、農園では様々な動物たちを育てることもできる。更には、イベントなどでアイテムをゲットし、畑の周囲を植物で飾って、オリジナリティあふれる農園を作ることもできるのだという。
ただし、ゲームとはいえ農業の世界はそんなに甘くはない。最初はなかなかうまくいかないこともあるかって、収穫までこぎつけるには根気強さが必要だ。なるほど、こうした点はなかなかリアルなゲームなのである。
このアプリは、農業に関心を持ってもらうことや、実際の農家が新たな顧客を生みだすことで、農業・農家の活性化にも一役買っているようだ。実際に農業に従事することは難しいけれど、ゲームで農業体験をし、本物のみずみずしい産地直送野菜や果物を味わうことで、食べ物のありがたみや大切さを身にしみて感じるきっかけになるかもしれない。特に、一人暮らしで野菜をあまり食べていないという方にはおすすめしたいアプリだ。