配偶者から感じる心理的プレッシャーをキログラムで表したグラフ。50代までは、夫の方が妻からのプレッシャーを感じやすいようだ(画像:株式会社アサツーディ・ケイ提供)
配偶者から感じる心理的プレッシャーをキログラムで表したグラフ。50代までは、夫の方が妻からのプレッシャーを感じやすいようだ(画像:株式会社アサツーディ・ケイ提供)
この記事の写真をすべて見る
配偶者と会わなくても耐えられる日数を示したグラフ。男性よりも女性の方が長期化傾向にあるようだ(画像:株式会社アサツーディ・ケイ提供)
配偶者と会わなくても耐えられる日数を示したグラフ。男性よりも女性の方が長期化傾向にあるようだ(画像:株式会社アサツーディ・ケイ提供)

  国の調査によると、共働きの世帯は年々増えており、2013年には1065万世帯、専業主婦がいる世帯の約1.4倍となったという。夫婦の生活形態や考え方も多様化する中、男性たちが妻から受けるプレッシャーは、逆の場合よりもはるかに大きいようで、30代では会社の上司以上に重量感がある、という結果が、広告代理店の株式会社アサツーディ・ケイ(本社・東京都港区)が行った調査で浮かび上がった。

 同社は、平均的な日本人像を探るため、数年ごとに「日本人の平均調査」を行っている。今回の調査は、2006年、2011年に続いて実施され、15~69歳の男女約6000人から回答を得た。調査のうち、夫婦間の意識については、20代以上で配偶者がいる男女約2800人が回答した。

 配偶者から感じる心理的プレッシャーの重さをキログラムに置き換えた回答では、妻からのプレッシャーは平均85キロと、夫からの場合の約1.8倍に上った。回答した女性の平均体重は52.4キロだったことから、夫は妻の体重以上の重さのプレッシャーを身に受けているといえるのではないだろうか。

年代別では30、40代の男性が特に大きく、いずれも女性からの場合の2倍以上となった。妻からのプレッシャーを103.6キロとした30代男性に関しては、これとは別の質問項目で、上司から受けるプレッシャーは84.6キロと回答しており、身近な存在とはいえ、「妻の影響力」は上司よりも大きいことが伺える。

 夫婦で会わなくても耐えられる日数については、女性は59.7日と男性の約1.5倍の長さだった。男女共に、この日数は調査を重ねるごとに長くなっているが、特に女性は、2006年(42.1日)の1.4倍となっている。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)や無料通話・メールアプリなどが普及し、ツールを活発に使いこなす女性にとっては、夫と離れていても連絡が取れるから安心、という気持ちもあるのだろうが、夫にとってはちょっと寂しい結果なのかもしれない。

 更に、配偶者のために使ったお金では、結婚当初を100点としたところ、20代では男性68.1点に対し女性50.8点、30代で男性73.3点に対し女性54.4点と、女性は新婚時と比べて半分近くまで落ち込んでいた。今や「釣った魚にエサはやらない」傾向は、女性に強くみられるようになったのだろうか。

 と、ここまで書くと「妻強し」のようだが、夫諸君も案ずるなかれ。自分の価値と、配偶者の価値を金額換算した平均値では、男性は自分の価値を1億9771万円、配偶者は2億2662万円としたのに対し、女性は自分を1億2878万円、配偶者を2億2138万円と、夫を自分より約1億円高く評価している。同社は「一家の大黒柱として夫は欠かせない存在と認識している結果」と分析しており、なんだかんだ言っても、夫は妻から頼りにされているのだろう。