暦の上ではとっくに秋だが、厳しい暑さが続いている今日このごろいかがお過ごしだろうか。電気代も節約したいし、なるべくエアコンを使わずに乗り切りたい! と思っていても、あまりの暑さについついエアコンのリモコンに手が伸びてしまうことも多いのではないだろうか。このエアコンについて、引っ越しサービスの比較サイトを運営する引越し侍(名古屋市西区)が、各家庭での保有台数などを調べたところ、興味深い結果が出たという。

 この調査は、2014年6月から7月にかけて、同社のサイトを利用して引っ越しをした人を対象に、引っ越し先でのエアコンの保有台数や設定温度について行われた。その結果、都道府県別で最もエアコンの保有台数が多かったのは、福井でその数4.17台。全国平均の1.93台と比べると、大幅に上回っていることが分かる。

 福井といえば北陸地方にあり、暑いというイメージはそれほどなかったので意外だ。2位島根(3.5台)、3位奈良(3.25台)、4位岡山(3.13台)、5位鹿児島県(2.88台)と、後に続く県を見ても、6位の富山(2.5台)を除き、上位10県は暑さが厳しそうな近畿以西ばかり。なぜ福井が1位となったのか?

 また、同社が総務省の統計データ(観測は2010年)を基に独自に調査したところ、福井は、年間平均気温は全国35位だが、年間最高気温では13位、湿度は全国2位の高さだという。夏は比較的、暑くてムシムシしそうな地域のようだ。

 福井のアイスクリームとシャーベットの年間消費量が全国2位という話もある。更に、福井に電気を供給している北陸電力は、電力会社10社の中で、最も電気料金が安いという。夏は暑く、ムシムシしていて電気料金が安い…… となると、エアコンを使わないわけにはいかない! という気持ちが表れた結果なのだろうか。これらの結果からすると、土地の特徴もさることながら、福井には「暑がりさん」が多そうな気がしてならない。

 ちなみにエアコンの保有台数が最も少なかったのは、北海道の0.47台。どこよりも暑いイメージのある沖縄は、意外にも41位という結果だった。このことについて、同社では「夏と冬の寒暖差が小さく暑さに慣れていることや、電気料金が高いこと、海からの潮風やヤモリでエアコンの室外機が壊れやすいことが影響しているのではないか」とも推測している。

 また、今回の調査では、エアコンの設定温度に関する質問も行っており、ここでも福井が1位となったが、上位の10県も福井とあまり変わらない25度台だったため、設定温度に関しては、都道府県別で大きな違いはないようだ。しかし、温室効果ガス削減のため、国が推奨している設定温度は28度。職場や施設では若干暑さを感じる分、家では25度台に設定して涼しくリラックスしたい、という気持ちの表れなのだろうか。

 節電はもちろん大事だが、「一切エアコンを使わない!」といって暑さで熱中症になってしまっては元も子もない。エアコンを上手に使い、あとは扇風機や打ち水、氷枕など、様々な工夫をして残暑も乗り切りたいものだ。