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 自分がデザインしたロゴや写真などが入ったオリジナルTシャツというと、日本ではあまり馴染みがないかもしれない。最近では、自宅のプリンターで絵柄を印刷してそれをアイロンでTシャツにプリントできるキットも売られているが、作業的に意外と手間がかかる。

 そこで登場したのが、5月19日にユニクロがリリースした「UTme!」というスマートフォン向けのアプリ。アプリの画面に出てくるTシャツの雛形に、カメラで撮ったお気に入りの写真や自分で作ったロゴ、イラストなどを配置して自分だけのオリジナルTシャツが作れる。さらにスマートフォンを振ることで配置した写真やロゴなどが崩れるユニークな機能を使って、よりデザインTシャツっぽさも演出できる。

 アプリ上で作ったTシャツは、1900円(税・送料別)で購入可能。後日宅配便にて送られてくる。なお、オリジナルTシャツは、スマートフォンで同アプリを使わずに、ユニクロのサイトからでも作成できる。

 便利で楽しそうなこのアプリ。実はあることが問題になっていた。それは、利用規約に書かれている著作権の扱いについてだ。「オリジナルTシャツのデザインに関する著作権は、ユーザーがユニクロに譲渡しなければならない」という内容の文章が書かれていたのである。これは、ユニクロはユーザーが作ったデザインのTシャツを無断で販売したり、デザインを改変したりすることができることを意味しており、これに気づいたユーザーから批判の声が挙がったのだ。

 これを受けてユニクロは、アプリを発表した翌日に、早くも利用規約を改定。「著作権を譲渡する必要がない」ことを規定した。

 こうした対応の速さから、ユニクロはネットユーザーの声には敏感だったといえる。しかし、騒ぎにならなければ、ユニクロは規約を変更しようとはしなかったかもしれない。普段何の気なしに読み飛ばしてしまいがちな利用規約も、きちんと確認するのが大事ということだろう。