「mixi」以来爆発的に普及してきた日本でのSNSは「Twitter」「Facebook」と拡がり、最近に至っては「LINE」が全盛を極めている。SNSは知り合いがどんどんつながる構造上、「どっぷりそこにつかって暮らす人」もたくさんいるが、「SNS疲れ」が話題にのぼることも増えてきた。

 iPhone情報ニュースサイト「iPhon女史」を運営するマッシュメディアによれば、10代~50代のスマートフォンユーザー男女500人を対象に行ったスマートフォンアプリの利用調査では、「LINE疲れ」が深刻化してきていることが見て取れる。

 基本のコミュニケーション用のアプリとして「LINE」を使っているのは、およそ3人に2人に当たる68.8%。特に、学生の「LINE」利用率は88.7%と、全体と比べて20%程度高く、使っていない人を探す方が難しい。また、学生の利用者のうち、89.4%が多人数でのチャットができる「グループトーク」を利用していると答えた。「グループトーク」の利用者は全ユーザーの63.1%なので、こちらも学生が積極的にLINEを活用していることが分かる。

 一方で、これら学生に「退出したいグループトーク」があるかどうかを尋ねたところ、3人に1人に当たる36.9%が「ある」と答えた(利用者全体では23.5%)。

 その理由を尋ねてみると、「誰かが発言するたびに通知が来て落ち着かない」が51.9%と過半数を占めたほか、「いつも特定のメンバー同士のみが会話している」、「返事しにくいどうでもいい発言が多い」、「気の合わないメンバーがいる」、「既読をつけると何かコメントしないといけない気がして疲れる」といった意見が寄せられた。

 顔を見なくてもいいネットは気楽にも思えるが、LINEでのコミュニケーションに便利さを感じる反面、煩わしさを感じる人がそれなりの数になっているのがよくわかる結果となった。

 学校や親の把握できないLINE上での陰湿ないじめの結果、自殺の誘因になるような事件も報道されるようになってきた。他人との距離感と居心地のよさを保つのは、SNSでも実社会でも同じようなものだということだろうか。