ヒットはCDの売上だけではわからない?! 星野源とENDRECHERIの違い【Chart insight of insight】
ヒットはCDの売上だけではわからない?! 星野源とENDRECHERIの違い【Chart insight of insight】
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 今週のHot100は、話題の初登場曲とロングセールス曲が上位で入り乱れ、にぎやかになっている。注目したいのは、なんといっても初登場1位となった星野源の新曲「アイデア」だろう(【表1】)。NHK連続ドラマ小説『半分、青い。』の主題歌という、これ以上ないというくらい最良のタイアップ効果も手伝って、セールス、ツイッター、ラジオのオンエア回数と3つの指標で一気に1位を獲得した。

 ただ、この曲はフィジカルのCDはリリースされていない。あくまでも配信限定であり、それでもチャート集計時点で19万ダウンロードを超え、初登場でトップに立ってしまうという力はさすがだ。加えて、ラジオやSNSでのプロモーションも徹底されているし、惜しくもDA PUMPには破れたが、ミュージックビデオの再生数もあっという間に500万回を上回り、グイグイと伸びているのだ。今後はこういったフィジカルなしのヒットがどんどん増えていくだろうし、その象徴ともいえる一曲なのである。

 一方、初登場なのに涙を呑んだのが、4位にランクインしたENDRECHERIの「one more purple funk... -硬命 katana-」だ(【表2】)。ご存知、堂本剛によるファンク色の強いソロ・プロジェクトで、一連のジャニーズアイドルとは一線を画した作品作りで人気を呼んでいる。この曲はシングル・セールスが7万枚を超えており、このセールスポイントだけを見るとダントツの1位。しかし、配信なし、ミュージックビデオなしというクローズドな印象が強く、それがそのままチャートの結果となってしまったのが残念。

 他のジャニーズはともかく、 ENDRECHERIはアーティスティックな音楽性がいい形で口コミになって広がりそうなので、もう少しオープンにプロモーションしてもいいのではないだろうか。ストリーミングやYouTubeを解禁すれば、違うファン層を掴めるはず。今後の新たな展開に期待したい。Text:風奏陽