今夏も高校野球の地方大会が開幕。全国各地で甲子園出場を目指して球児たちの熱い戦いが繰り広げられている。
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地方大会は甲子園常連の強豪も部員不足に悩むチームも同じ土俵で戦うとあって、甲子園以上にまさかのハプニングが目白押しだ。
過去の熱戦の中から、思わず目を白黒させられるような珍プレーや珍場面を紹介する。
盗塁に成功した走者が一塁に逆戻りする珍事が起きたのが、1977年の熊本県大会準々決勝、熊本工vs熊本二だ。
同年、3季連続甲子園出場を実現し、甲子園でも8強入りをはたした熊本工だが、この日は、度胸の良さを買われて三塁手から投手になった熊本二・東政明の超スローボールにタイミングを狂わされ、2回に1点を挙げただけで、6回までスコアボードにゼロを並べる大苦戦となった。
だが、1対0の7回に4番・小林裕一の中越えランニング本塁打で2点を追加すると、8回にも5番・山森雅文(元オリックス)の左中間へのランニング本塁打など、打者一巡の猛攻で大量7得点し、ようやく試合を決めた。
まさかの珍プレーが見られたのは、その8回攻撃中だった。東が7番・林田孝史に初球を投じた直後、一塁走者の土田秀明がスタートを切り、二盗を決めた。
ところが、内野陣の「ファウルだ」などの声に惑わされた土田は、せっかくセーフになった二塁を放棄して、スタスタと一塁にUターンするではないか。
これにはボールを持っていた捕手・橋口和明もあっけに取られ、結果的に帰塁を許してしまった。
想定外の事態に審判団も「どうしたものか」と首を捻ったが、「二塁ベースを越えるほどのリードをした」という“超法規的解釈”がなされ、走者一塁で試合再開となった。
土田はすぐに気持ちを切り替え、次の2球目、東のモーションの隙をついて鮮やかに二盗成功。スタンドから大拍手が贈られた。
甲子園初出場まで「あと2人」の9回1死から、異例の降雨ノーゲームに泣いたのが、89年の大分雄城台だ。