日本ハム・清宮幸太郎が覚醒の時を迎えようとしている。
今月9日のソフトバンク戦。7回に武田翔太の内角低めの直球をすくい上げた打球は、低い弾道で右中間に飛び込むチームトップの11号ソロ。7月に入って4発と絶好調だ。
他球団のスコアラーは警戒を口にする。
「あんな弾道のホームランを打てるのは今のプロ野球界で清宮しかいない。普通はスタンドまで伸びませんよ。天性のホームランアーティストです。昨年までと比べて見違えるほど良くなっている。正直、プロに入ってからドアスイングが修正できず年々打ち方が悪くなっていった。技術的に言えば、今年はバットが最短距離で出るようになり軸回転で直球に差し込まれなくなった。下半身を使えるようになってきたので、低めの変化球も空振りせずにヒットゾーンに飛ばせるようになった。選球眼を磨けば、打率はさらに上がるし30本塁打もクリアできると思います」
打席を重ねるごとに成長の跡が見られる。7月は9試合に出場し、打率.313、4本塁打、6打点をマーク。10安打中8本が長打(二塁打4本、本塁打4本)でOPS(出塁率+長打率)は驚異の1.201と驚異的な数字を誇る。昨年は1軍出場なしに終わり、イースタンで打率.199、19本塁打。2軍で本塁打王に輝いたが、確実性は低い。甘く入った変化球の抜け球しか打てるポイントがなかったが、今年はガラッと変わった。
「新庄監督が就任していなければ、清宮はあのまま消えていたかもしれない。穏やかで人当たりのいい性格ですが、のんびりしていて危機感が感じられなかった。本人は内心焦りを感じていたと思います。そこで新庄監督は減量指令を出して打撃フォーム改造も話し合って決断した。9キロ減量して行動に移した清宮も内面から変わりたかったのだと思います。新庄監督はパフォーマンスばかり注目されますが、選手を見る目は厳しい。何とか一本立ちさせたいという思いは選手にも伝わっている。清宮がブレークしたら恩人であることは間違いない」(スポーツ紙記者)