【タイプ2】食欲がなく疲労感が強い「脾胃の疲れ」タイプ

<気になる症状>
夏やせ、疲労感が強い、身体が重い、むくみ、食欲不振、下痢または軟便、舌の苔が白く厚い

<改善ポイント>
【「脾胃」を整えてしっかり栄養を】
 高温多湿の日本の夏は、体内に「湿」(余分な水分や汚れ)が溜まって脾胃の働きが低下しやすくなります。また、暑さで「心」を消耗したり(「心の疲れ」タイプ参照)、冷たいものを摂り過ぎたり、といった原因から脾胃が傷ついてしまうことも。
 こうした不調が長く続くと、栄養をしっかり摂ることができず夏バテもなかなか回復できません。疲労感や食欲不振といった不調は、「暑いから仕方ない……」とやり過ごしている人も多いものですが、夏の疲れを秋に残すとかぜなどもひきやすくなってしまいます。積極的な養生で脾胃を整え、元気の基本となる体力をしっかり養いましょう。

<摂り入れたい食材>
脾胃を補いながら、体力をつける食材を:
大豆製品(豆腐、湯葉など)、いんげん、山芋、じゃがいも、かぼちゃ、なつめ、りんご、アジ、もち米、米、牛乳 など

【タイプ3】秋の不調に注意!乾燥気味の「肺の疲れ」タイプ

<気になる症状>
息切れ、汗が多い、かぜをひきやすい、皮膚や鼻・のどの乾燥、咳や痰が出る、身体が冷える、舌の苔が薄く乾きやすい

<改善ポイント>
【「肺」の潤いを保ち、秋冬のかぜを予防する】
 食欲不振などの症状を長く回復できずにいると、「脾胃」と深い関わりのある「肺」の機能にも影響してしまいます。肺は呼吸によって「気」(エネルギー)を生み出したり、邪気(ウイルスなど)の侵入を防いだりする大切な役割を担っています。そのため、夏バテの影響で肺の機能が低下すると、秋になってかぜをひきやすくなったり、咳や喘息など呼吸器系の症状が出やすくなったりすることも。また、肺は皮膚と深い関わりがあるため、乾燥による皮膚トラブルも多くなります。
 肺の養生のポイントは「潤い」を保つこと。気になる症状がある人は身体の中から潤いを保つよう心がけ、秋に向けて肺の機能をしっかり高めましょう。

<摂り入れたい食材>
肺を潤す食材、初期のかぜを発散する食材を積極的に
・肺を潤す:白きくらげ、きのこ類、クコの実、梨、百合根、れんこん、白ごま など
・かぜを発散:くず湯、生姜湯、シナモン、ねぎ、ごぼう など

■POINT! 生活を整えて、疲れたカラダに元気を取り戻す

 日中は暑さが残るものの、夜は徐々に過ごしやすくなります。熱帯夜で寝不足気味だった人も、早寝早起きを心がけてしっかり睡眠をとるようにしましょう。また、少し涼しくなってきたら積極的に身体を動かすことも大切。寒い冬に向けて十分な体力づくりをしておくことで、かぜやインフルエンザの予防にもつながります。
 
【長夏の養生・暮らしのポイント】
・良質な睡眠をとって、消耗した体力をしっかり回復
・涼しくなったら積極的に運動、秋冬に向けて体力づくりを
・秋は気分が塞ぎがちなることも。散歩や外出で気分をこまめにリフレッシュ
・毎日の入浴で、疲労回復、血行促進、冷えの改善を

監修:菅沼 栄先生(中医学講師)

本記事は、イスクラ産業株式会社監修の中医学情報サイト「COCOKARA中医学」より、一部改変して転載しました

監修:菅沼 栄先生(中医学講師) 1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。
1979年、来日。
1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。 主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。
監修:菅沼 栄先生(中医学講師) 1975年、中国北京中医薬大学卒業。同大学附属病院に勤務。 1979年、来日。 1980年、神奈川県衛生部勤務。中医学に関する翻訳・通訳を担当。 1982年から、中医学講師として活動。各地の中医薬研究会などで薬局・薬店を対象とした講義を担当し、中医学の普及に務めている。 主な著書に『いかに弁証論治するか』『いかに弁証論治するか・続篇』『漢方方剤ハンドブック』(東洋学術出版)、『東洋医学がやさしく教える食養生』(PHP出版)、『入門・実践 温病学』(源草社)など。
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