日本ハムの新庄剛志監督
日本ハムの新庄剛志監督
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 最下位に低迷する日本ハムだが、今年から就任した新庄剛志監督ことBIGBOSSはチームの再構築に向け、選手の技量を見極めて育成に主眼を置いているように見える。1軍で実績のない若手たちにも出場機会を与えている起用法がその証左だ。

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 年齢も実績も関係ない。この横一線の競争の中で大ブレークを果たしたのが、プロ11年目の松本剛だ。近年は伸び悩んで同期入団の近藤健介、上沢直之に水をあけられていたが、今季はリーグトップの打率.358をマーク。走塁でもこれまで17年の6盗塁が自己最多だったが、21盗塁と機動力を重視するBIGBOSS野球の旗頭になっている。若手では清宮幸太郎、万波中正、今川優馬が自己最多の本塁打をマーク。まだまだ粗さが目立つが、着実に成長している。

 一方で、結果を残せていないかつての主力選手たちもいる。その筆頭が渡邉諒だ。直球に抜群の強さを発揮することから「直球破壊王子」の異名を取り、19年に132試合出場で打率.262、11本塁打をマークするなど活躍していたが、今季は21試合出場で打率.233、0本塁打。二塁の守備で拙守が目立ちファーム暮らしの期間が長い。スポーツ紙デスクは「日本ハムのトレード要員で引きがあるとすれば渡邉じゃないですかね。27歳とまだまだ若いですし、直球に強い右打者と言うのは大きな魅力。守備も鍛え直せばまだまだレギュラーでできる」と高い評価を口にする。

 昨季途中にトレードで巨人に電撃移籍した中田翔に代わり、一塁のレギュラーに定着した高濱祐仁も出場機会を大幅に減らしている。昨季はクリーンアップを務めるなど107試合出場で打率.262、8本塁打と自己最高の成績を残したが、今年はわずか7試合出場で打率.059、0本塁打。渡邉と同様に右の強打者として力はあるだけに、このままくすぶるのはもったいない。

 セリーグ球団の球団編成担当は「BIGBOSSが編成にどこまで携わっているか分からないが、トレードは出血覚悟で放出しないと良い選手が獲得できない。河野竜生、立野和明は他球団も欲しい選手だと思います。両投手ともにまだプロ3年目で河野はドラ1なので放出は考えづらいが、日本ハムは今までも驚きのトレードを敢行してきた。可能性がないとは言い切れない」と語る。

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