「榎本」の入り口
「榎本」の入り口
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「ミシュラン」一つ星の店でなぜ――。大阪府警が準強制性交等の疑いで逮捕=同罪で大阪地検が起訴=した、大阪市浪速区の日本料理店「榎本」の経営者、榎本正哉被告。女性客を酩酊(めいてい)状態にさせて性的暴行に及んだとされるが、実は他にも被害を受け、警察への相談を検討している女性がいるという。名店と評判だった店内で、何が起きていたのか。

【写真】店の入り口に貼られた休業のお知らせ

<店長榎本の一身上の都合によりしばらくの間、休業させていただきます 榎本>

「ミシュランガイド京都・大阪+和歌山2022」で「一つ星」を獲得した名店の玄関先には、そんなお知らせが貼られていた。

 榎本被告は昨年12月下旬と今年2月下旬、女性客に睡眠薬など薬物を混ぜた酒を飲ませ、酩酊状態にさせて性的暴行に及んだとされる。

「本当にショックでした。ミシュランに掲載されるほどの店で、予約もとれない。(榎本被告は)丁寧で、料理の腕も抜群。それが……」

 と苦しそうに語る女性Aさんは、今年春、榎本被告に性的被害を受け、警察への相談を検討しているという。

 榎本被告は、大阪の有名日本料理店で腕を磨き、その店のオーナーの後押しもあって2020年9月に「榎本」をオープンした。

 店内は、カウンターのみの6席。1日2組の予約限定で、コロナ禍にもかかわらず繁盛していたという。

 榎本被告自らもテレビ出演するなど、評判は高く、グルメサイトのコメント欄でも、

<幸せこの上なし>

<とんでもないお店>

 などと絶賛されている。

 客が料理写真をSNSに投稿することは禁じられており、それも人気に一役買ったようだ。

 そうした評判を聞いていたAさんだが、なんとか予約を取ることができ、店に何度か行けるくらいまでになった。店はいつも満席状態。1度来た客がその場で次回の予約を入れるため、新規で入るには難しいという。

 そうしたなか、Aさんが被害にあったのは、3~4回目の来店時だったという。

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急に意識がもうろうとして、眠くなり……