馬場氏は代表として「維新スピリッツの継承」を掲げているが、松井氏のやってきたことを改革するつもりはないのだろうか。

「松井さんのやってきたことを変えることは特段考えていません。もちろん、党のガバナンス改革などは必要でしょう。でも、維新のスピリッツ、つまり『身を切る改革』は変えてはいけない。国政の行財政改革を進めることこそが、党の基本姿勢です。松井一郎という政治家がつくった流れの中で、『後はやってくれ』という話になったわけであって、維新スピリッツを継承するのは当然のことです」

 馬場氏は新代表としてのあいさつで、「日本維新の会を自民党と対峙できるよう大きく育てていきたい」と語った。自民党の一人勝ち状態で、野党が乱立する今の政治状況をどう見ているのか。

「立憲民主党には自民党をたたきつぶして『オレたちが政権を取ってやる』という熱意を感じない。完全に一強やから、自民党は余裕なわけですよ。だから自民党内のタガがどんどん緩んでいる。野党第1党がもっとしっかりして、国会でガンガンやり合えば自民党はピシッとするはず。それができるのは私らだけだと思っています」

 その自民党は、安倍晋三元首相が凶弾に倒れたことによって、党内の力関係が変わりつつある。安倍氏不在となった自民党をどう見ているのか。

「安倍さんはご自分の国家像をきちんと持っていて、その国家像を実現するための歩みをやってこられた。その安倍さんがいない自民党は怖くないですよ。今の自民党の議員たちは緩みまくっていて、脱力ムードさえ感じます。自民党が政権与党に復帰してから12年。今では与党でいるのが当たり前になってしまった。組織というのは、大きくなるとタガが外れて崩れる、という歴史を繰り返してきました。自民党は今、崩れる時期に入りかかっていると感じます」

 維新は安倍政権とそれに続く菅政権とは距離が近く、政権の「補完勢力」と呼ばれることもあった。一転して、岸田政権になってからは距離を取り始め、国会で批判することも多くなった。岸田政権の支持率が低迷している現状について、馬場氏はこう語る。

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国葬の判断基準に疑義