8月27日、日本維新の会の代表選が行われ、馬場伸幸氏(57)が新代表に選出された。これまでの維新は安倍政権、菅政権と非常に距離が近く、与党でも野党でもない“ゆ党”と揶揄されたこともある。一方で岸田政権とは距離を置いており、馬場氏も「自民党と対峙できるよう大きく育てていきたい」と抱負を語った。馬場氏が新代表となることで、維新は何が変わり、何が変わらないのか。今問題となっている「国葬」や「旧統一教会との関係」も合わせて、馬場氏に率直な質問をぶつけた。
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「注目されんことが一番あかんことなので、メディアの取材はありがたいことです」
目の前に現れた馬場氏は忙しそうにしながらも、こう笑みを浮かべた。
代表に選出される前、馬場氏は松井一郎前代表のもとで、6年前から幹事長、1年前から共同代表を務めていた。松井氏とは代表選の数日後、2人だけで食事に行ったという。
「松井さんの周りにはいつも人がいるので、2人だけで会食に行く機会はあまりないんですよ。松井さんからは『ご苦労やけど、頑張ってやってな。後はよろしく』と言われました(笑)」
新代表になった馬場氏は松井氏に党の顧問になるように要請した。これには「傀儡になるのでは」という指摘もあったが、馬場氏はこう否定する。
「顧問というと大げさですが、相談役ですよ。私も大阪維新の会についてはわからんこともあるから、その時にちょっとアドバイスしてもらう程度です」
そもそも、松井氏は代表選前から馬場氏を「後継指名」しており、それゆえ代表選を“デキレース”と批判する向きもあった。だが、馬場氏はそれにも異を唱える。
「松井さんは情だけで人事をやる人ではないですよ。1年前には30代~40代の若手を幹事長、総務会長、政調会長に抜擢している。ベテランも必要だからということで、私を共同代表に据えたんでしょう。松井さんは日本維新の会の創始者として、党が大きくなることで日本の政治が良くなる、党が国家・国民のためになってほしいと願っている。そういう観点で人事を考えている」