泉市長に仕えてきた市幹部がこう話す。
「泉市長は、市の政策について国会の参考人として呼ばれるほどの有名人。自民、公明党の市議もその人気は無視できなくなって、泉市長には表向きはニコニコした対応になってきた。だが、市議会では対立関係は相変わらず。そこが積もり積もって暴言につながったのではないか」
今や全国的な知名度を誇る泉市長の暴言は、前回の件もあり、瞬く間に全国ニュースとなった。
「4年前と同じでは済まないと思いつつ、最初は『しのげないか』と考えたが、やはり2回目は市長としてはあるまじき行為。こうやって責任を取るしかない。言い訳するタイプではない」
そう考え、任期満了での市長の退任、政治家の引退を決断したという。
市議からは、
「泉市長は暴言を何回も繰り返す人物で、当然のこと。今すぐにでも市長を辞めるべきだ」
と厳しい声も上がるが、一方で、泉市長の施策を評価する市民は多いようだ。
泉市長はこれまで、18歳までの子どもの医療費全額補助、2人目以降の子どもの保育料の無償化、中学校の給食無料化などの施策を所得制限なしで実現し、0歳児の見守り訪問「おむつ定期便」といった子育て支援策や、公共施設、プールや博物館の入場料の撤廃など様々な独自策を打ち出してきた。
そうした面も全国的に報じられると、移住してくる人や、いったん出て行った人が戻るケースも増え、9年連続の人口増。今年も10年連続で増える見通しだ。税収増などの成果も上げ、「住みやすい街」としても知られていただけに、
「泉市長は明石市を良くした大きな成果、功績がある。他に変わる人は見つからない」
「暴言はダメですが、そこまで言わないといけない理由があるのではないか」
といった擁護派もたくさんいるのは事実だ。
21年12月から「やさしい社会を明石から」とのスローガンで、「明石発」の政策を全国に広げようとはじめたツイッターに、早くも「#泉市長負けないで」というハッシュタグが付き、
「引退を撤回しましょう」
「明石市長お願いです、辞めないで」
などと「辞めないでコール」が大量にツイートされている。