この2校に匹敵するチーム力を誇るのが広陵(広島)だ。夏の広島大会は3回戦(対英数学館)で早々に敗退したものの、新チーム結成後は中国大会開幕前の時点で練習試合を含めて33連勝を記録。中国大会でもエースの高尾響(1年)が調子を落としてわずか1試合、2イニングの登板に終わり、プロ注目の強打者でもある主砲・真鍋慧(2年)も厳しいマークに苦しみながらも、4試合で37得点と打線が力を発揮して見事に2年連続の優勝を決めた。
投手では大型左腕の倉重聡(2年)の成長が大きなプラス材料となっている。スピードは130キロ台中盤だが、ボールに角度があり変化球の精度も高い。真鍋以外の打者も旧チームから中軸を任されている田上夏衣(2年)、強打のショートである小林隼翔(2年)など、力のあるメンバーが揃っている。エースの高尾、昨年のセンバツのマウンドも経験した岡山勇斗(2年)の調子が上がってくれば、全国の頂点に立つことも十分に期待できるだろう。
地区別に見ると、近年多くのチームが甲子園で上位に進出することが多い近畿のレベルの高さが目立った。中でも現時点で大阪桐蔭に次ぐチームとなると報徳学園(兵庫)、履正社(大阪)の2校になりそうだ。報徳学園は近畿大会の決勝こそ0対1と大阪桐蔭の前田に抑え込まれたものの、準決勝までの3試合で29得点と圧倒的な得点力を見せている。
野手ではプロ注目の強肩強打の捕手である堀柊那(2年)、アマチュア球界全体でもトップクラスの脚力を誇る岩本聖冬生(2年)などタレントが揃っており、大型右腕の盛田智矢(2年)が成長すればセンバツでも上位を狙える力はありそうだ。その報徳学園に近畿大会(準々決勝)で敗れた履正社も俊足巧打の外野手である西稜太(2年)、強肩とパンチ力が光る捕手の坂根葉矢斗(2年)を中心に打線の力は全国でも上位だ。センバツ出場は微妙な状況だが、報徳学園と同様に投手陣が整備できれば楽しみなチームになるだろう。