「小紅書」で出品されている劇場版グッズの数々
「小紅書」で出品されている劇場版グッズの数々
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  有名バスケットボールマンガ「スラムダンク」の新作劇場版アニメ「THE FIRST SLAM DUNK」が12月3日から公開された。公開直後の土日の2日間の動員は約85万人、興行収入も約13億円を記録したという。公開前から大きな話題になっていただけに、年末年始にかけてより多くの人が映画館に足を運びそうだ。

 一方、お隣・中国でも同作を心待ちにしていたファンは多い。中国事情に詳しいライターの広瀬大介氏は言う。

「中国では『灌籃高手』という作品名で1990年代後半から中国語版の漫画が発刊され、アニメも大人気となりました。日本同様、30~40代の中国人にとっては懐かしく、その下の世代にも名作として受け継がれています。過去には、公式ゲームアプリが公開からわずか2日で有料部門1位になったり、中国の動画配信サイトで放映されたテレビ版アニメも3・2億回以上の再生回数を記録したりしました。今回、日本で新作劇場版が公開された後も、中国版ツイッターのWeiboで多くの投稿があります」

 Weiboには、「スラムダンクは人生で一番繰り返し見た作品だ。青春時代がよみがえってくる」「中国ではいつ公開されるんだろう」など、中国人ファンの熱いつぶやきであふれていた。

 マスコミでも、劇場版の公開について中国政府系メディア「新民晩報」(12月4日付)が「26年待ち続けてついにスラムダンクが帰ってきた!」との見出しで報じた。北京の地元メディア「新京報」(12月5日付)も「劇場版日本での公開初日で7億円を突破、グッズ販売も好調」と盛り上がりぶりをリポート。中国メディアでも大きくとり上げられており、社会的関心事になっている。

 こうしたなか、由々しき事態も起こっている。なんと公開と同じ日に、中国SNSで劇場版の映像が何者かによってアップされたのだ。中国在住の日本人によると、Weiboには、公式にYouTubeでアップされた予告編などが転載されている他、日本の映画館で盗撮したと思われる写真、映像が複数、投稿されているという。さらに中国の人気動画サイト「好看視頻」「Youku」などにも、映画館で盗撮されたと思われる映像が数多く投稿されており、中には約14分に及ぶものもあった。

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10万円分のグッズをまとめ買いして転売