警告試合が宣告され、試合再開後、田中は宗を中飛に打ち取ったところで交代を命じられ、2回2/3を2失点と精彩を欠いたまま降板。新庄監督は「前回も(杉本に)当てているし、そりゃ、怒る。次ないかな。もう1回、鍛え直してもらって」と2軍落ちを決めた。

 一方、杉本は翌日の日本ハム戦でも9回に井口和明から右足に死球を受け、2日で3死球と散々。直後、杉本が倒れ込んだため、スタンドは騒然としたが、立ち上がった杉本は、前日、新庄監督に謝られたばかりとあって、グッと怒りをこらえて一塁に向かった。

 9月28日のロッテ戦の試合後、ビッグボスの名称を卒業し、来季は「日本一だけ」を目指すことを宣言した新庄監督。2年目のミラクルを期待したい!(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2021」(野球文明叢書)。

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久保田龍雄

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久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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