なんと、右中間付近の空中を黄色いアヒル型風船が舞っているではないか。センター・丸佳浩が笑いながら追いかけ、ジャンプして手を伸ばしたが、直後、強風にあおられた風船は、まるで丸をあざ笑うかのように差し出すグラブをスルッとかわして急上昇。その後も風船は、追いかける丸を尻目にグラウンドを浮遊しつづけたが、バックスクリーン右付近でゆっくり上昇するとスタンドに飛び込み、最後に右翼席のファンがナイスキャッチ。「GJ！」とばかりにスタンドから大拍手が起きた。

　ようやく試合再開となり、内山はカウント2－1から鍬原のカットボールを引っかけ、三ゴロ併殺。せっかくのヤクルトの反撃ムードも、空気の抜けた風船のようにしぼんでしまった……。（文・久保田龍雄）

●プロフィール
久保田龍雄／1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍「プロ野球B級ニュース事件簿2021」（野球文明叢書）。

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久保田龍雄

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久保田龍雄／1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

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