月曜日は、台風10号の間接的な影響を受けて、西日本で大雨となる恐れがあります。大雨による土砂災害や低い土地の浸水、川の氾濫に警戒が必要です。

九州北部は滝のような雨

28日(日)は、本州付近に台風10号からの湿った空気が入り、西日本の上空には寒気が流れ込んで、大気の状態が非常に不安定になりました。昼頃に長崎県佐世保市や佐賀県北山で1時間雨量がともに53ミリを記録するなど、九州北部は局地的に雷を伴った滝のような雨が降りました。活発な雨雲は夕方以降、中国地方へ進んできました。

潜在的な前線

29日(月)は雨の範囲は東へ移り、中国地方や四国、近畿で非常に活発な雨雲がかかります。その理由は、台風10号から吹き込む風と、上空に寒気を伴う気圧の谷からの風が、西日本付近でぶつかり、潜在的な前線が発生するためです。この“前線”に向かって、台風から湿気たっぷりの蒸し暑い空気が次々に供給されるため、“前線”の活動は活発になります。最新の予想では、活発な雨雲が同じ場所に長くかからない予想となっていますが、風のぶつかるバランスによっては、雨雲がしばらく停滞する可能性が全くないわけではありません。2014年8月20日の広島市のように、豪雨によって災害が発生してしまう危険性も考えられます。大雨や土砂崩れなどに要警戒です。また、中国地方や四国では、非常に激しい雨の降る時間が夜明け前の所があります。暗くて外の状況が分かりにくく、避難が大変危険な状態となります。早めの避難を心がけましょう。危険が差し迫っている場合など、外へ避難するとかえって危険な場合は、屋内の安全な場所(崖とは反対側の部屋など)へ避難しましょう。

中国地方や四国は朝まで、近畿は午後

上の図にある降水の予想を見ると、午前4時に中国地方や四国のちょうど中央あたりに、南北に延びる線状の活発な降水域がかかっています。午前7時には岡山県や香川県、徳島県へこの線状の降水域が移動していますね。1時間雨量は多い所で70ミリと、局地的には非常に激しい雨になります。午後になると近畿でも大雨に警戒が必要です。