北海道は8月に入って立て続けに3つの台風が上陸し、昨日(8月27日)までの月降水量が、道内124地点で300ミリを超えています。月300ミリの雨が道内100以上の地点で降ったのは、昭和56年(1981年)8月、札幌にも甚大な被害をもたらした56水害の時以来となります。
この記事の写真をすべて見る昭和56年8月の豪雨とは
昭和56年(1981年)8月は、北からのびる前線が北海道に停滞する中で台風12号が北上し、3日から6日にかけて各地で豪雨となりました。札幌でも期間中に294ミリの雨が降り、大洪水が発生しました。さらには、その約2週間後の23日には北海道15号の北上に伴って再びの豪雨。二度目の大洪水で各地に被害をもたらしました。
この年の8月は胆振地方の白老町森野で北海道史上最多となる月降水量1041ミリを観測。石狩川の氾濫などで北海道全体で死者3人、被害家屋は3万戸を超えました。
35年ぶりの北海道各地での大雨
平年の8月の北海道は、一か月の降水量が100~150ミリ程度の所が多いですが、今年の8月は昨日まででその倍以上の300ミリを超える雨が、道内225の観測地点の半分以上となる124地点で観測。最も多い根室地方の羅臼では723.5ミリを記録しています。昭和56年8月は月降水300ミリ以上は合計150地点。アメダスによる観測網が北海道に整備された1976年以降では、唯一100地点を超えた月でしたが、今年はそれ以来35年ぶりの北海道各地での大雨となったのです。
局地的な大雨ではなく広い範囲での大雨のため、普段の大雨に比べて河川の水位が上がりやすくなっています。今月に入ってからも石狩川や常呂川などで氾濫が発生し、農業関係をはじめとして道内各地へ甚大な被害をもたらしています。
今後も大雨に厳重な警戒を
昭和56年の水害以降、各地で対策がなされているため、前回同様の水害発生の恐れは極めて低いと考えられていますが、あの時以来の大雨となると、大規模な災害発生は十分に考えられます。また、前回の豪雨と雨の中心となっている場所がやや異なる、ということを合わせると、これまで災害が発生してこなかった地域でも安心はできません。
ここ数日は雨の降り方が落ち着いている北海道ですが、明日からは東部を中心に再び大雨となる恐れがあります。台風10号の今後の進路次第では、またも北海道内の広い範囲へ大雨をもたらすことも考えられ、引き続き厳重な警戒が必要です。