【タイプ2】ドロドロ血で血行が悪い「リンゴ型肥満・お血(おけつ)」タイプ
<気になる症状>
主に内臓脂肪型肥満、顔色が暗い、しみが多い、痛みの症状(頭痛、生理痛、関節痛など)、しこり(乳腺症、子宮筋腫、脂肪肝など)、舌の色が暗くお点・お斑(黒い点やしみ)がある
<改善ポイント>
リンゴ型肥満(内臓脂肪型肥満)は内臓脂肪が過剰に蓄積し、ウエストまわりが大きくなるタイプ。比較的男性に多く、一見太って見えないので「隠れ肥満」と呼ばれることも。※簡易な目安:ウエスト周囲径が男性85cm以上、女性90cm以上
油っこいものや甘いものの摂り過ぎ、慢性疾患、加齢などが原因で、ドロドロ血の「お血(おけつ)」(血行不良)を起こしています。ドロドロ血は血中の脂質(中性脂肪やコレステロール)が高いため、放っておくと脂肪が溜まりやすく、内臓に脂肪がつく「リンゴ型肥満」を招きやすくなります。
このタイプの肥満は、動脈硬化症や狭心症、脳梗塞、糖尿病といった生活習慣病につながりやすいので要注意。
油っこい食事は控えて腹八分目を心がける、血液サラサラ食材を積極的に摂るなど、血流をスムーズに保つよう心がけましょう。また、適度な運動を心がけ、身体全体の代謝を上げることも大切です。
<摂り入れたい食材>
●血液サラサラ食材で血流を良く
玉ねぎ、ピーマン、なす、もずく、ひじき、うこん、酢、サンザシ、そば、紹興酒、ひまわりの種 など
【タイプ3】食べないのに太りがち「虚弱」タイプ
<気になる症状>
太り気味、痩せにくい、疲労感、息切れ、汗が多い、かぜを引きやすく治りにくい、食欲不振、軟便、下痢、眠くなりやすい、冷え症、腰痛、舌の色が淡く苔が白い
<改善ポイント>
中医学でいう「気」とは生命活動を支えるエネルギーのこと。「脾胃(ひい)」(胃腸)の働きが弱いと、食事の栄養から「気」を十分に生み出せないので、身体の根本的なエネルギーが足りず基礎代謝が低下しがちになります。疲れやすく、身体を動かすことも億劫に。
その結果、脂肪を十分に燃焼できず「あまり食べていないのに太る」という状態を招いてしまうのです。
日頃から疲れやすく、年をとって痩せにくくなった…。そんな人は、このタイプに当てはまることも多いので気を付けて。
脂肪をしっかり燃焼できる「太らない体質」をつくるためには、体内の気を充実させることが大切。痩せようとして無理に食事制限をすると、さらに気が不足してしまうので注意しましょう。
<摂り入れたい食材>
●脾胃を養い、消化吸収の働きをアップ
きのこ類、山芋、くるみ、ごま、松の実、クコの実、なつめ、赤身肉、りんご、キャベツ、米、落花生、かぼちゃの種 など
■暮らしのポイント
・食事は「腹八分」を心がけ、間食や甘いものは控えめに。
・体内の老廃物を取り除くためにも、毎日のスムーズな排便を。
・適度な水分補給で排尿を促す。飲み物は温かいお茶がおすすめ。
・散歩、ヨガ、水泳、太極拳など、無理のない有酸素運動を習慣に。
・入浴で発汗を促し、体内の老廃物の排出を。
■「きちんと食べる」がダイエットの基本
中医学では、白米などの炭水化物は「脾胃(ひい)」(胃腸)を養う大切な食材と考えます。脾胃を元気に保つことは、体内の気を充実させて代謝をアップし、肥満の要因となる「痰湿(たんしつ)」(余分な水分や汚れ)の予防にもつながるダイエットの要。痩せるために「食べない」ではなく、きちんと「食べる」ことを大切にして、太りにくい健やかな体質をつくりましょう。
監修:菅沼 栄先生(中医学講師)
本記事は、イスクラ産業株式会社監修の中医学情報サイト「COCOKARA中医学」より、一部改変して転載しました