一週間ほど経ったころ、私の出演も再開しました。普段は季節の話題も交えたり、ちょっとほっこりできることを目指してコーナー作りをしていましたが、普段とは違って、淡々と気象の見通しを伝えました。一週間たっても、電気が通るようになった所はまだそれほど多くはなく、どれほどの人がテレビを見てくれたのかはわかりません。でも、1人でも見てくれる人がいて、その人がだれかに伝えてくれて…、という風に、情報が伝わっていくかもしれない。誰か一人にでも届いてほしい、そう思って、放送に臨むようになりました。


震災をきっかけに、時に、生きるために必要な情報として、気象情報は存在すると思うようになりました。
奈良岡希実子キャスター
奈良岡希実子キャスター

生きるために必要な備えについて

当たり前のことですが、防災バックは用意しておくべきです。その中に、水や食料はもちろんですが、ラジオや携帯の電池で充電できるタイプの携帯の充電器もいれておくと良いと思います。気象情報など、生きるために必要な情報を、得られるようにしていただきたいです。ちなみに、防災バッグと懐中電灯はすぐにわかる場所におきましょう。私は、震災後、懐中電灯は枕元に置くようになりました。暗くなってから明かりを探すのは大変です。懐中電灯は、寝ている場所の近くに置いておくことをお勧めします。
そして、避難場所の確認はしておくべきだと思います。地震や津波のときにはどこへ逃げるべきか。大雨のときはどこへ逃げるべきか、起こる事象によって、避難すべき場所は異なる場合もあると思いますので、しっかり確認しておいてください。
そのほかにも、備えるべきことはたくさんあると思いますが、私が一番大事だと思うのは、非常事態が起こったとき、どう行動するべきかについて、普段から家族と話し合っておくこと。何かあってから考えるのでは遅すぎます。非常時には、どうすべきか話し合う時間はありません。ですから、普段からしっかり決めておくようにしてください。
気象キャスターとして、微力ではありますが、防災、減災につながる活動をこれからも行っていきたいと思っております。
東日本大震災から5年。被災地の復興を、心から願っています。

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