横浜でも、支援対象は教育機関、芸術文化分野、スポーツ。具体的な支援策を近く発表する予定です。それにIRをやる際には、日本企業とのパートナーシップが不可欠。私たちだけでできるとは考えていません。提携先を探しているところです。

──横浜市民が心配しているのは治安悪化や依存症の増加です。

 わが社は業界で最も厳しい警備体制を持ち、マネーロンダリングや偽装IDを防いでいます。警察などと協力しながらカジノ犯罪を防ぎます。一方、依存症は深刻です。問題を抱えていそうな人はカジノへ入れないようにし、適切な治療が受けられるようにすることが重要です。

──日本ではIRを巡り、国会議員が逮捕されました。いままで日本の政治家との面会は。

 何年か前にある政治家のグループから要請があり、議員事務所で弊社の説明をしたことがあります。ですが、こちらから何かのお願いをしたことはありません。

──アメリカには、海外の公務員への贈賄などを禁止する海外腐敗行為防止法があります。それなのに、カジノ企業の汚職がなくならないのはなぜでしょう。

 我々の場合は厳しく倫理規定を守る措置が取られていて、外国で汚職を起こしたことはありません。カジノに関する汚職を防ぐ手立ては、(1)政府の規制と執行能力(2)実績のある事業者の選定(3)報道機関による適正な不正監視が必要だと思います。

 我々にできることは、正確な情報を出すことによって、IRについても国民がきちんと決定できるようにすること。IRに関して厳しい規制が敷かれることになったとしても、そのほうが良い結果を招く。むしろ歓迎です。

(ジャーナリスト・桐島瞬)

AERA 2020年3月9日号