アルツハイマーの患者を診る、やまと診療所の安井佑医師(39、左)。後ろの男性2人が在宅医療PA。同診療所では、1人の医師と2人の在宅医療PA、3人一組で在宅医療に当たる(撮影/写真部・片山菜緒子)
アルツハイマーの患者を診る、やまと診療所の安井佑医師(39、左)。後ろの男性2人が在宅医療PA。同診療所では、1人の医師と2人の在宅医療PA、3人一組で在宅医療に当たる(撮影/写真部・片山菜緒子)
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在宅療養支援診療所の推移 10年で1.2倍!(AERA 2020年2月17日号より)
在宅療養支援診療所の推移 10年で1.2倍!(AERA 2020年2月17日号より)

 外来・通院、入院に次ぐ、「第3の医療」として必要不可欠な在宅医療。だが、それ支えるはず在宅医に不安の残るケースは少なくない。「いい在宅医」を見つけるにはどうすればいいのか。AERA2020年2月17日号で掲載された記事を紹介する。

【グラフ】在宅療養支援診療所は10年でどれくらい増えた?

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 栃木県小山市の医療法人「アスムス」理事長で、全国在宅療養支援診療所連絡会の太田秀樹事務局長(66)は、「いい在宅医」を探すための条件として、(1)自宅から近い、(2)在宅医が訪問看護師やケアマネジャーと連携がとれている、(3)看取りの実績──この3点を挙げる。

「医師が近くにいれば緊急時に往診を受けやすく、診療所が自宅に近いことは大きなメリットです。在宅医療で訪問できる距離は半径16キロ圏内と定められているが、できればすぐに駆けつけてくれることを考え、半径5キロ程度を目安に探すのが理想です」(太田事務局長)

 次に、住み慣れた地域で最期まで暮らし続けるためには、「地域包括ケアシステム」に基づいた訪問看護や介護との連携が必須。彼らと上手に連携が取れていない在宅医は避けた方がいいという。

 看取りの実績も、在宅医の質を知る重要な指標となる。実績は「年間の合計診療患者数」と「看取り件数」から見ることが大切で、患者数の3分の1ほどを看取っていればしっかり診ていると考えていい。逆に、何千人もの患者がいるのに看取り件数が数十人というところは、看取りが必要な患者を避けているなどの可能性があるという。

 患者数などは、各都道府県を所管する厚生局に情報開示請求することも、診療所に直接聞くこともできる。

「これまでの医療は寿命を延ばすことに価値が置かれていたが、今後は尊厳ある最期を支える医療の重要性が増していく。そのための在宅医療が、これから求められる」(太田事務局長)

 在宅医療にとって大切なのは何か。東京都板橋区を拠点に在宅医療を展開する「やまと診療所」の安井佑(ゆう)院長(39)は、それは「時間軸」で患者を診ることだと話す。

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