竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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町に雪はほんの少ししか残っていませんでした/1月22日、スイス・ダボスで
町に雪はほんの少ししか残っていませんでした/1月22日、スイス・ダボスで

「コンビニ百里の道をゆく」は、50歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 1月下旬、スイスのダボスで開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)に出席しました。参加したのは今年で3回目。政治、経済分野のトップリーダーが各国から集まり、統一テーマの「持続可能な世界」について議論を交わしました。

 議論の前に、驚いたことがありました。会場となったダボスがあまりに暖かかったのです。例年なら雪に覆われていた道はアスファルトが見えていて、昼間は暑いくらいです。これが地球の変化だとすれば、待ったなしで気候変動は進んでいる。議論を交わすだけではなく、スピード感を持ってアクションを起こす必要性を感じています。

 悠長なことを言っていては、イノベーションは起きません。昨年のG20大阪サミットで、日本をはじめとする参加国は2050年までに海洋プラスチックごみの流出をゼロにするという目標を掲げました。

 実現のために様々な政策が議論されていますが、30年後というのは期間が長すぎる気もしています。年齢を考えても、私を含めて国際会議に参加する国家元首や企業トップが30年後も指揮を執っていることはないでしょう。

 ダボス会議には、環境活動家のグレタ・トゥーンベリさん(17)ら高校生も参加していました。後継にバトンをつなぐだけでなく、自分がトップにいる間に変革を起こすために何ができるのか。プラごみゼロも、15年後には実現するくらいの勢いで向き合いたい。

 ローソンでできることは何か。昨年3月に「SDGs委員会」を立ち上げました。 アイスコーヒーSサイズのカップや、ナチュラルローソンのハンバーガーやお弁当の一部容器を紙製にするなど、環境に配慮した商品開発をしています。一つひとつは小さな取り組みでも、全体に広げることで持続可能な世界につながっていく。そう信じて、改革を進めていきます。

AERA 2020年2月17日号