「桜を見る会」、IRをめぐる汚職事件、相次ぐ閣僚辞任……。長期政権をどう追及するのか。AERA 2020年2月10日号では、野党第1党の大番頭である福山哲郎・立憲民主党幹事長に通常国会の戦略を聞いた。
【写真】参院予算委で憮然とした表情で野党からの質問を受ける安倍晋三首相
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──「桜を見る会」の問題への野党の追及は、通常国会でも続いています。安倍首相の答弁をどう見ていますか。
実は昨年も、私は同じ言葉を使って安倍首相をただしました。その言葉は「否認」です。ここで言う否認とは「不快な事実に直面した際に、圧倒的な証拠があるにもかかわらず、それが真実だと認めず拒否すること」だと考えています。桜を見る会の疑惑に対する安倍首相の姿勢は否認そのもの。そして、この否認の姿勢は森友・加計疑惑の頃から悪い意味で一貫しています。通常国会が開く前、私は多くのメディアの方から「桜を見る会は追及されるのですか?」と質問を受けました。しかし、実際には追及も何も、ほぼこの問題は「詰んでいる」と私は考えています。
なぜならば、桜を見る会の問題は、すでに明々白々だからです。予算が年々膨張しているにもかかわらず、その事実を隠し、毎年の予算は同額計上するなど不適切な会計処理をしたこと。招待者名簿の扱いを含め、文書管理に違法な手続き、処理が行われ、不可解な保存期間の設定や招待者名簿をシュレッダーにかけたこと。また、安倍首相が公的行事を私物化し、前夜祭における公職選挙法違反や買収罪の懸念、政治資金規正法違反の疑いなど、安倍首相自身に違法行為の疑いがかけられていることは、これまでの報道を見ても十分に明らかです。
国会で安倍首相は「真摯に対応する」と繰り返し述べていますが、それで納得している人はほとんどいないのが現状ではないでしょうか。
──世論調査でも、およそ7割の国民が安倍首相の説明に納得していないと回答しています。
安倍首相が桜を見る会を私物化して、後援会の関係者や選挙区の有権者を呼んで、飲食を振る舞ったのではないか。多くの国民がそう思っているし、私たちも濃厚な疑いを抱いています。この疑惑に対する挙証責任は安倍首相本人にあります。首相が潔白を証明したいのであれば、証明してくれればいい。ただ、これまでの答弁は証明になっていないというだけです。