「コンビニ百里の道をゆく」は、50歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。
【写真】鬼のお面をあしらうなど、お店ごとに季節感のある売り場がある
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街で流れる音楽やポスターに、季節の到来を感じることがあります。1週間ほど前まで、ローソンでは恵方巻きの予約受け付けPOPを店頭に設置。今年は日本料理の老舗やキャラクターとコラボしたものを販売しました。
お客さまに節分を楽しんでいただきたい思いがある一方で、数年前から日本でも食品ロスが課題になっている状況があります。
少しでもロスを減らすためにローソンでは、恵方巻きやクリスマスケーキといった催事商品は予約制にしています。
一方で、こうしたイベントのときこそ季節感を出していきたいという加盟店オーナーの方もいます。2月3日、売り場に少しでも恵方巻きがあると、いつもと違ったお店になり、ワクワク感が出ます。廃棄する食品を出さないようにすることはもちろんですが、節分を意識した売り場を作る楽しみもあります。
本部としては、廃棄を減らして、オーナーの方も生き生きと働けるようにサポートしていきたい。
何より、イベントの日だけでなく日常的に廃棄を減らすことが必要です。食品が大量に捨てられている中、満足に食事をとれない子どもたちがいることも知っておかなければいけません。
ローソンでは、以前からお店の判断で、消費期限の迫った弁当やおにぎりなどを値引く「見切り販売」を実施しています。昨年は販売許容時間の延長や、レジ横の揚げ物の売り切りの推奨などにも取り組みました。さらに、消費期限の迫った一部商品を購入した方に、本部の負担でポイント還元する「アナザーチョイス」の実験もしました。
アナザーチョイスはネーミングや運用のわかりづらさから、期待したほどの成果は出ませんでした。食品ロスの削減に向けて、もっと良い方法はないのか、トライ&エラーで模索していきます。
※AERA 2020年2月10日号