世界を熱狂させた「ダウントン・アビー」の映画版が日本で公開される。もともとイギリスの一テレビ局が制作したこのホームドラマは、「海外ドラマの黄金時代」を代表する傑作だ。ネット配信も続々。いま、海外ドラマが熱い。
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英国貴族の荘厳なお屋敷を舞台に、少々おっちょこちょいの伯爵、気の強いお嬢様、嫌み力抜群のご隠居ばあさん、誇り高い執事など、キャラの立った面々が繰り広げるドキドキハラハラの人間ドラマ「ダウントン・アビー」。世界200以上の国と地域でヒットしたお化け番組が劇場版映画で帰ってきた。
ファンのツボを惜しみなくつく大ファンサービス作品であると同時に初体験の人でも楽しめるよう巧みに構成された、第一級のエンタメ作品だ。
もともと英国の一民放局が制作した「ダウントン・アビー」は、海を越えてアメリカのエミー賞など各テレビ賞を総なめにした。現代の「海外テレビドラマ黄金時代」の一角を担う重要な作品である。というと、「え、いまって海外ドラマの黄金時代?」と思われるかもしれない。そう、アメリカを中心に良質なドラマが立て続けに発表された2000~10年代の20年間は、欧米メディアでは「黄金時代」と位置づけられているのだ。