『大図解 届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)の著者で、社会保険労務士・ファイナンシャルプランナーの井戸美枝さんは言う。
「制度があることを知っていても内容が更新されているのを知らない人も多い。住宅ローンと教育費が重なる時期は家計がきつくなるので、とりこぼしがないようにしたい」
ただ、支援策を使う際には注意点があると井戸さん。
「それぞれ提出先が違うので注意が必要です。住宅ローン控除の届け出先は、1年目は税務署で確定申告をする必要があり、2年目からは会社の年末調整で行います。一方のすまい給付金は、窓口は『すまい給付金事務局』で、郵送も可能です」
住まいのリフォームにも、公的援助がある。
同じく消費税対策として新設された次世代住宅ポイント制度だ。省エネや耐震、バリアフリーなどの基準を満たす住宅の新築やリフォームの契約をすると一定のポイントをもらえる。最大60万円相当のポイントがもらえ、家電、インテリア、雑貨・日用品、地場産品、食料品などと交換できる。ただし、20年3月までに申請する必要があり、期間中でも1300億円の予算がなくなれば締め切られるので要注意。
なお、お得に暮らすには固定費の削減も有効だ。都内の公務員の男性(38)は3年前、長年所有していた車を手放し、カーシェアに切り替えた。これまで車の所有でかかっていた保険代や駐車場代など年50万円近くを貯金に回せるようになった。車の購入費用もかからないので、その分300万円近く得した計算になるという。男性は言う。
「歩く機会が増えて健康にもなりました。風邪もひかず、医療費も浮いていると思います」
(編集部・野村昌二)
■「届け出なきゃ損!給付金・補助金・控除45」の特集は、AERA12月16日号(9日発売)に掲載しています。取り上げたのは、出産祝い金や児童手当など「該当するだけでもらえるお金」、住宅の購入やリフォームなど「購入した費用の一部を補助してくれるお金」、そして医療費控除や住宅ローン控除など「支払った税金の一部が戻ってくるお金」の3種類。全国一律のものから都道府県や市区町村といった自治体が独自にもうけているものまで、45にのぼる「お金」がありました。