ネット業界の雄ヤフーと、通信アプリの王者LINEの統合交渉が報じられた。 利用者にはどんなメリットがあるのか。あんなことこんなこと、できたらいいな♪ AERA 2019年11月25日号に掲載された記事を紹介する。
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13日午後9時47分、ヤフーに勤める男性のスマートフォンに速報が届いた。自宅で子どものオムツを換えているときだった。ヤフーとLINEが経営統合へ──。遅い時間だったが、社内チャットは盛り上がった。男性は言う。
「衝撃でした。みんな予想していなかったので、『すごいことになってるぞ』と驚いていました」
ソフトバンクグループ(SBG)傘下で「ヤフー」を運営するZホールディングスと、通信アプリのLINEが経営統合に向け交渉しているというニュースは日本中を駆け巡った。
米2強に対抗できるか
朝日新聞の報道によれば、夏ごろから旧ヤフー(現・Zホールディングス)とSBG、LINEとその親会社であるネイバー(韓国)の4社で交渉が始まった。SBGの孫正義会長兼社長らが主導したという。
LINEの利用者は約8千万人、ヤフーのサービスは5千万人に上っている。キャッシュレス決済やEC、ニュースなどの事業面でも競合してきた2社が統合すれば、インターネットの勢力図は一変する。関係者は、
「統合すれば、国内でのQR決済やネットニュースはほぼ勝ちが確定する」
と意気込む。ソフトバンクがLINEに手を出したことに、「イノベーションは資本力に敵わない」と落胆する声もあったが、何が起きるかは未知数だ。そこでアエラでは、両サービスのユーザーらの声をもとに、統合で生まれる新たな可能性を勝手に探ってみることにした。
まずはフリージャーナリストの男性(49)から。
「福岡ソフトバンクホークスの本拠地が、来年から『福岡PayPayドーム』に名前を変えますが、統合されたらドームの名前も変わるのでしょうか。たとえばペイペイとラインを合わせて『ペインペインドーム』とか」