


昭和の終わりに結成され、平成を駆け抜けてきたGLAY。デビュー25周年となる令和元年にアルバム「NO DEMOCRACY」を発表した。さらに未来へと進むGLAYのこれまでやこれからについて、TERUさんとJIROさんが語った。AERA 2019年10月28日号に掲載された記事を紹介する。
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──アルバム「NO DEMOCRACY」は、刺激的なタイトルですね。
TERU(以下、T):命名したのはTAKUROで、これからその意味を噛みしめていくことになると思います。もともとGLAYはメンバー、スタッフ、ファンの関係性なくしては成り立たないバンドで、その在り方から「DEMOCRACY(民主主義)」を25周年のテーマに掲げてきたんです。
JIRO(以下、J):ライブでもファンの意見を採り入れて曲を決めたりするしね。
T:でも一歩外に目を向ければ、紛争など色々な問題があり、民主主義とは程遠い現実がある。そこをもう一度見つめようよ、という意味が込められているんだと思います。
J:今回はよりTAKUROの言葉が強いアルバムになったと思います。「反省ノ色ナシ」の「本日をもちまして、いい人を辞めました」のフレーズとか。
T:僕らはとにかく会話の多いバンドなんですよ。話題はニュースや家族の話とかですが、そこでTAKUROが突然「そろそろ、いい人をやめよう!」って言い出した。僕らはみんな頼まれごとを断れないタイプなので、「もっと自分のやりたいことだけやってもいいんじゃない?」という思いがあるのかな。まあ、結局はいい人なんですけどね(笑)。
──「TERUさんの歌声は、より“まっすぐ”になったように感じました。
T:声に関しては、歌い方よりもメンタルが変わったんだと思います。今回、一大決心をして、生まれ故郷の北海道・函館にスタジオを作ったんです。朝起きてそのままパジャマに裸足で歌ったりすることができて、歌うことにすごくポジティブになれた。とにかく歌うのが楽しくてしょうがなかったんです。
──高校時代のバンド仲間を原点に、デビュー25周年。ずっと一緒にやってこられた理由は?
J:HISASHIは青森、ほかの3人は函館出身なんですが、共通の原体験があるのは大きいですね。
T:「Winter,again」の歌詞の「街灯の下」とかも「あそこの交差点のあの電灯のイメージね」「あ~、あの寒々した感じね」って話が通じちゃう(笑)。