絵を描くのが好きとわかってからも、特にああしろこうしろと指示したことはない。その代わり、直子さんがしたことといえば、あーちんと“目線が合いそうな人”を探すこと。

「子どもの頃って、誰に褒められるかが大事。あんまりピンとこない人に褒められても嬉しくない。絵は好きだけど絵画教室に通うとかそういう感じじゃなさそうだなとは感じていました。ほぼ日の賞はまさか通るとは思わなかったけど、サイトをよく見ていたので、この人たちが絵をいいねって言ってくれたら嬉しいだろうなって」

 そしてその応募がきっかけとなり、ほぼ日の大人たちとあーちんが出会い、連載、出版、と世界は広がっていった。

「うちの場合は片親なので、私が褒めると、私がいいと言ったものがいいもの、って洗脳みたいになっちゃう。それをすごく危惧してきました。あんまり私のせいにしないで、私の言うことを信じないで、ってよく言ってるんです。私以外のいろんな大人に褒めてもらって、分散させたい」

(編集部・高橋有紀)

AERA 2019年9月30日号より抜粋

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