

筆者が住んでる関西地方で夏を代表する魚と言えば、「鱧(はも)」以外には考えられません。梅肉とともに白くてふっくらとした身を楽しむ「鱧の落とし(湯引き)」は、京都や大阪の夏の風物詩として料亭などでは定番の味覚。毎年7月に行われる祇園祭は、別名「鱧祭」とも言われています。
【こんなにふわふわ! まるで綿あめのような食感が美味しい鱧の天ぷら】
日本近海では瀬戸内海を中心に水揚げされていますが、鱧の魚体を実際に見られた方はあまりいないかもしれませんね。
鰻や穴子の仲間で細長い姿をしていますが、ギョロッとしたにらむような大きな目と、サメのような鋭い歯がびっしりと並んだ大きな口をもち、気性は極めて荒く獰猛で、鰻などとはまったく異なります。
写真を見て、何かを連想しませんか。2016年に公開されて大ヒットした映画「シン・ゴジラ」の「第1形態」のモデルは、実は鱧では……と思うのは筆者だけでしょうか?
生きたまま同じいけすに入れておくと、お互いに噛み殺しあうことがあるとか、鱧が生息する海域では、他の生き物はほとんど食べつくされてしまうこともあるという話も。その凶暴さは他の魚とは比べ物にならないといいます。