その後、秋篠宮ご夫妻と悠仁さまが改修を終えた秋篠宮邸で生活を始めても、佳子さまの御仮寓所での“分室暮らし”は続いていると見られる。
宮内庁も秋篠宮家も私生活であることを理由に、一切の説明をしない。しかし、めどといわれている「今年度中」があとわずかになっても、佳子さまが「引っ越しを終えた」という話は、いまだ聞こえてこない。
人間がひとり、別の建物で生活を続ければ、食事の世話に始まり、衣類の洗濯、部屋にとどまらずお風呂やトイレなど使用部分の掃除を行う人手も必要になる。食事を新宮邸で作っていたとしても、「分室」に運ぶ手間も必要だ。
秋篠宮さまが、「国民の負担になる」と改修工事を断り続けたのは、その費用も源流は税金だと認識しているからに他ならない。
元宮内庁職員で皇室解説者の山下晋司さんは、こう話す。
「御仮寓所を佳子内親王殿下が引き続き使わなければいけないなら、当初の方針と違うわけですから、その理由をきちんと説明すべきです。社会情勢を鑑みるなどして、これまで改修をしてこなかったというのはご立派ですが、様々な方針変更に関しては、その理由がわかりません。これでは、臆測が生まれるのも当然で、国民の不信感も募ることになります」
皇族方のプライベートは、もちろん守られるべきだ。私生活に制約をかけられ、人生の多くを「公」に捧げてきた方々だ。生活のすべての原資が「税金である」などと追い詰めるべきではない。
しかし、説明のある部分とない部分の境界があいまいであれば、当惑が生じてしまう。山下さんは、こうも言う。
「秋篠宮同妃両殿下や長女の眞子さん、佳子内親王殿下は、平成の時代から多くの公務を担い、天皇を支えてこられました。このようなことで、臆測に基づいた批判が出てくるのは残念です。公私に関わらず、秋篠宮家にとって必要なら、宮内庁は国民に対してきちんと説明し、ご一家には宮邸の施設を堂々と使っていただきたい。批判を恐れて説明をしないと臆測を呼び、また批判に繋がるという悪循環になります」
(AERA dot.編集部・永井貴子)