(イラスト/辛酸なめ子)
(イラスト/辛酸なめ子)
5月4日、令和初となる一般参賀に集まった人たちに手を振る天皇、皇后両陛下(c)朝日新聞社
5月4日、令和初となる一般参賀に集まった人たちに手を振る天皇、皇后両陛下(c)朝日新聞社
漫画家、コラムニスト 辛酸なめ子(しんさん・なめこ)/1974年、東京都生まれ。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。一般参賀に足しげく通い、皇室ウォッチャーを自任している。 (撮影/山本友来)
漫画家、コラムニスト 辛酸なめ子(しんさん・なめこ)/1974年、東京都生まれ。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。一般参賀に足しげく通い、皇室ウォッチャーを自任している。 (撮影/山本友来)

 5月27日、天皇、皇后両陛下は令和初の国賓となるトランプ大統領と会見する。天皇陛下は、令和初の一般参賀でも柔和で真面目な物腰が印象的だったが、実は意外な一面もあるという。皇室ウォッチャー・辛酸なめ子さんは、AERA増刊「ドキュメント新天皇誕生」の中で、少しだけナナメから天皇陛下への期待を語る。

【令和初となる一般参賀に集まった人たちに手を振る天皇、皇后両陛下】

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 毎年のようにはせ参じている一般参賀。なかでも今年1月2日の一般参賀は、改元前の天皇、皇后両陛下のお出ましラストということで、例年以上の混雑ぶりでした。午前8時過ぎから約3時間ほど、愛国者の集団の「君が代」の歌声などで気を紛らわせながら並び続け、11時ごろやっと宮殿前でお出ましを拝見することができました。混雑の中、人々が掲げるスマホで、皇室の方々のお姿を垣間みられたのは一瞬でしたが、陛下のお言葉が心にしみました。「年頭にあたり、わが国と世界の人々の安寧と幸せを祈ります」という言葉でしめくくられ、てっきり新元号の候補は「安寧」かと思っていたのですが……。天皇陛下はいつも通り、ゆっくり淡々とお話しされ、平成最後のお言葉を耳に刻みました。

「令和」になったら、お出ましのフォーメーションも変わってきます。中心は新天皇陛下と皇后陛下になり、これまで傍らで柔和な笑みを浮かべていた徳仁さまがセンターに。畏れ多くも妄想ですが、「令和」という単語にはイケメンっぽい響きがありますので、新天皇の男前度もさらに高まるのではないでしょうか。周りにも「徳仁さまがすてき」と言う女子が何人もいますが、改めて魅力について考察させていただきます。

 今年2月の59歳の記者会見での発言は非常にまじめで、「このお方についていけば安心」という思いを新たにしました。声も深みがあります。「自己研鑽につとめ」「国民と心を共にし、苦楽を共にする」「象徴としての務め」といった意識の高い言葉が印象的でした。雅子さまについて触れられるとき、キリッとした表情になられ、「私もできる限り力になり雅子を支えていきたいと思っています」とおっしゃったのにしびれました。「僕が一生全力でお守りします」という名セリフがフラッシュバックします。令和の一般参賀では、お二人の仲むつまじい様子も拝見できることでしょう。

 徳仁さまは、秋篠宮さまに比べて生真面目な印象ですが、実はフランクでユーモア精神もおありです。英国留学について思い出の手記には、天井を指して「私はデンカ、これはデンキ」と友人に説明したエピソードが書かれています。元テニスプレーヤー佐藤直子さんの手記にも、パーティーでテーブルを動かすときに挟まられ「殿下、出んか」と小さな声でおっしゃられたとありました。今後、また徳仁さまのやんごとなきダジャレを拝聴できればと思います……。

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ジンクスが生まれる?