携帯キャリア3社の分離プラン(AERA 2019年5月20日号より)
携帯キャリア3社の分離プラン(AERA 2019年5月20日号より)
NTTドコモの料金分離後の携帯料金イメージ(AERA 2019年5月20日号より)
NTTドコモの料金分離後の携帯料金イメージ(AERA 2019年5月20日号より)

 今年10月にも、端末購入時に通信料金の値引きを禁止する「分離プラン」が義務付けられる見込みだ。販売の落ち込みを回避しようと、キャリア各社は料金プランの改定や新しい端末購入サポートなど、あの手この手で模索している。

【図表】NTTドコモの料金分離後の携帯料金イメージ

*  *  *

 4月15日に最大手のNTTドコモが新料金を発表したことで号砲が鳴った携帯電話料金の料金値下げ競争は、今週、第2弾の火蓋が切られる。

 13日にはKDDI(au)が新プランを、16日にはドコモが下取り価格を上乗せすることによる新たな端末購入サポートを発表する見通しだ。ソフトバンクも両社の動向を見極めて、近く新たなプランを発表するとみられる。

 auは、ドコモなどNTTグループに敵愾心を燃やす高橋誠社長の方針もあり「これまでうちにはなかったプランを出す」(関係者)と意気込む。

 ドコモが先月発表した、段階的に料金が変動するプランとデータ通信の大容量プランは、auが2年前に打ち出したものに近い。auはさらなる新プランを他社に先駆けて導入し、料金施策のイニシアチブを今後も握りたい考えだ。

 とはいえ、完全に新規の割引施策は「ネタ切れ」との見方が大勢で、ドコモやソフトバンクが導入している「家族割」や、ソフトバンクが導入しているYouTubeなどのデータ容量を多く使うサービスが使い放題の「カウントフリー」というサービスを導入するのではという見方が強い。

 ドコモが6月1日から導入する大容量のデータプラン「ギガホ」と段階式に料金が変わるプラン「ギガライト」は、吉澤和弘社長が昨年10月に「2~4割値下げする」と宣言していただけに、契約者はもちろん、業界関係者や報道陣の注目が非常に高かった。

NHKや日経、読売など各社の記者は何度も吉澤社長らNTT幹部の自宅に夜回り取材を続けたが、ドコモ側が『来てもらっても話すことはない』と釘を刺すほどガードが堅かった」(関係者)

 しかし、蓋を開けてみると目新しさはほとんどなく、拍子抜けの感は否めなかった。大容量と段階式プランはau、ソフトバンクが導入済みのためだ。

次のページ