「最初にやっておいたほうがいいのは、副業専用の口座を開設すること。生活用の口座と一緒だと売り上げの把握だけで一苦労します。もし専用の口座があれば損益も把握しやすく、儲かっているのかも一目でわかる」

 また、副業を始めたいがお金がないという人もいるだろう。実は、副業でも銀行などから借り入れができる。その場合、信用は本業におかれることも。

「むしろ副業のほうが借りやすいこともあるんです。本業があるので、たとえ副業が失敗しても返済ができますから」(高橋さん)

 そして、会社まかせにしていた会社員にとって高く立ちはだかるのが確定申告だ。基本的には売り上げから経費を引いた「所得」が年間20万円を超えたら確定申告が必要になる。また、副業でも業務に関連した出費は経費として認められる。自宅で副業をしている場合は、家賃や光熱費も一部経費にすることも可能だ。高橋さんは10月末には一度会計を締めて、収支計算をすることをお勧めする。例えばその段階での利益が30万円ある場合、来年予定していたパソコンやプリンター、合計15万円の購入を前倒しし、経費精算すれば、確定申告の必要がなくなるなど対策が取れるからだ。

 副業の所得は、主に3種類。本業のほかにアルバイトや正社員、契約社員などとして雇われて給与を得ているなら「給与所得」。個人事業主として本業に近いような規模で収入を得ている人の所得は「事業所得」。それ以外にプロ作家以外の原稿料や、講演料、仮想通貨、FXの利益などは「雑所得」だ。

 事業所得にするメリットは、確定申告で青色申告ができ、控除など優遇を受けることができること。ただ、帳簿付けの手間などがかかる。一方、雑所得は、本業以外の収入を会社が把握しても、「仮想通貨で」などと言い訳しやすい。

 会社に申請して副業をしている人はいいが、もし内緒で副業している人は、確定申告によって会社にバレる可能性もあるから注意が必要だ。

「毎年5月頃に居住の市区町村から会社に送られる『住民税の税額決定通知書』には、主たる給与以外の所得があることが明記されてしまいますし、税額も本業の給与に見合わない額になってしまうこともありますので、会社側が副業を把握するきっかけになります」(高橋さん)

 確定申告のときに第2表の「住民税の徴収方法の選択」という欄で「自分で納付」に○をつければ合算されなくなるため、税額からはバレにくくなるが、それでもリスクは残る。高橋さんは、どうしても会社にバレたくない場合は、自分で会社をつくって副業の収入を会社の売り上げにすることを提案する。

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