ドラマ「初めて恋をした日に読む話(はじこい)」への出演で人気に火がついた、俳優の横浜流星さんがAERAに登場。現在公開中の映画「チア男子!!」での撮影秘話を明かす。
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「おお……」──陽光のなかでその表情がカメラに切り取られるたびに、編集部の男性スタッフから野太いため息が漏れた。そのくらい、一瞬一瞬が美しい。
「男性の歓声を聞くのって珍しいですね。嬉しい」
と、笑顔をクシャッとさせる。清らかさのなかに男らしさも匂い立つ22歳。
ドラマ「初めて恋をした日に読む話(はじこい)」で演じたピンク色の髪の不良高校生“ゆりゆり”役で人気が爆発。インスタグラムのフォロワー数は14万人から82万人に急増した。
映画「チア男子!!」では仲間6人と男子チアリーディングに目覚めていく大学生・晴希を演じる。3カ月間の練習を経てスタントなしで迫力の技に挑んだ。
「最初にトランポリンを使って宙返りの練習をしていたときに、頭から落っこちたんです。びっくりしました。でもコーチに『ここでやめたらトラウマになる』と言われた。その言葉に背中を押されて何度も練習して、克服しました。怖い気持ちもあったけれど、その先にもっと『何かがある』と感じたんです」
自身も小1から始めた極真空手で世界大会優勝の経歴を持つ。
「空手の道場では途中でやめていく人を何人も見てきました。でも自分は『これまでの努力が無駄になる』と思ってやり続けた。もともと弱かったんですけど、続けたことで結果を出せた」
その経験は俳優業にも生きている。「10代のころは自分と周りを比べて悩んだ時期もありました。でもやめずにやり続けたことで、いまがあると思うんです」
努力と鍛錬の人はいま、令和の最初を照らす、一番まばゆい星になる。(フリーランス記者・中村千晶)
※AERA 2019年5月20日号