子どもの発達には個人差があるので他人と比べて焦らないことが大事(写真/gettyimages)
子どもの発達には個人差があるので他人と比べて焦らないことが大事(写真/gettyimages)
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中田馨/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事
中田馨/1978年生まれ。兵庫県の認可保育園、中田家庭保育所施設長。一般社団法人離乳食インストラクター協会代表理事

 赤ちゃんは生まれたての時、「おなかがすいた」「眠たい」「おしっこが出た」など生理的欲求を訴え泣きます。生まれた直後には、よく泣く子、あまり泣かない子という個性はあるものの、目に見えた発達の大きな違いはありません。しかし月齢を重ね、保育所や子育てサークルなどの集団生活を経験すると「〇〇ちゃんは寝返りができているのに、うちの子はまだできない」などの発達のスピードに違いを感じ、心配することがあるのではないでしょうか? 今回は、子どもの発達について考えます。

【写真】筆者の中田馨さん

■発達には個人差がある

「発達には個人差がある」ことは私が言わなくても、みなさん、わかっていると思います。でもあえて、ここで再認識してください。「発達には個人差がある」とわかっていながら「自分の子どもよりもできている」と比べてしまうのは、親がみんな持つ感情。「うちの子には何か問題があるのではないか?」と思ったり、発達が早ければ早いほど「優秀」という感じがしたり、発達が遅ければ何だか負けた気分になったりすることもあります。もし、そんな気分になった時は「発達には個人差がある」と思い出し、自分の子どもに向き合います。ここからは、例を挙げながらその向き合い方を話します。

■できていない発達だけに注目しない

 発達の個人差を感じるのは、自分の子どもができていないことを他の子ができている時です。7カ月ごろの2人の赤ちゃんを例に挙げてみます。Aちゃんは、ずりばいを始めました。Bちゃんは、寝返りを始めたばかり。Bちゃんのお母さんはAちゃんを見ると焦りを感じるかもしれません。

 ここで大切なのは「ずりばい」という発達だけに注目しないことなのです。Bちゃんは、どちらかと言えば自分から動かないのんびりタイプ。今は動こうとしないけれど、よく喃語(なんご)を言いながら周りの景色やお母さんのすることを観察しています。食べることが大好きで離乳食をよく食べてくれます。

「ずりばい」などの「動く」ことは発達の中でも目立つ部分なので注目が集まりがちですが、発達には「身体」「手指」「心」「言葉」「五感」などさまざまあるのです。まだできていない発達に注目せず、子どもの興味関心を見つけることからスタートしましょう。

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